調査会社ラディカティ・グループの報告書によると、2017年には1日当たり約2690億通の電子メールが送信された。世界中の電子メールユーザー1人につき1日72通を受け取っている計算で、これは膨大な量のメールだ。
私たちが処理しなければいけないメールの量を考えると、日中ずっと受信ボックスに張り付いた状態であるのも驚くべきことではない。それよりも憂慮すべきは、私たちの多くが、夜間にメール対応をしなければならないというプレッシャーすら感じていることだ。
英国の同業者団体ブリティッシュ・サマー・フルーツによる最近の調査によれば、英国人の44%が、午後11時〜午前6時の間に同僚やクライアントにメールを送ることがしばしばあると回答した。さらに、10人に1人が、メールにすぐ返信しなければ職を失うかもしれないと感じていた。
こうした不安は、プレッシャーの多い現代の企業文化により助長されているようだ。回答者の16%が、同僚や上司からのプレッシャーにより深夜対応することがたびたびあると回答している。
さらに重要なことに、平均的な英国人はさらに週末の3時間を費やしてメールチェックや平日に処理しきれなかった問題への対応をしているという。さらに、45%の人は勤務時間外に上司からの電話を頻繁に受けた経験があり、28%は家族との休日を邪魔されたことがあった。残念ながら、従業員のプライベートな時間を妨害することは、企業の標準となってしまっているようだ。
上記の調査結果からは、従業員が直面しているテクノロジーにの猛威にリーダーやマネジャーが十分対処できているのか否か、という問題をめぐる深刻な疑念が浮かび上がる。また、企業が従業員のメール中毒や過労傾向を示す行動をチェックするための対策を講じない限り、メンタルヘルス上の危機へと盲目的に突き進んでしまう恐れを示す調査結果でもある。