この問題を最初に報じたメディア「マザーボード」がiPhoneの修理業者2人にインタビューしたところ、ロジックボードとオーディオチップの接触不良が原因だと思われるという。マザーボードの記事には、以下のように記載されている。
「ロンドン在住の修理業者『Federico Cerva』は、iPhoneの落下によってループ病が生じると述べた。一方で『iPad Rehab』のJess Jonesは端末を繰り返し折り曲げることが原因になると述べている。しかし、修理方法について2人の意見は一致している。まず、オーディオチップを外し、下に少量のワイヤーをはんだ付けすることで接触を修復できるという。Cervaによると所要時間は15分で、Jonesによると正規店であれば100〜150ドルで修理できるという」
iPhoneユーザーであれば、今回の不具合を聞いて「タッチ病」を思い出すかもしれない。タッチ病とは、iPhone 6 Plusでタッチ操作が不能になったり、スクリーン上部に灰色の線が表示される不具合のことだ。
アップルはタッチ病の原因は端末への外部からの負荷だとしているが、サードパーティーの修理業者「iFixit」はさらに詳細に説明している。同社によると、端末を一定の方向に繰り返し曲げることでロジックボードが曲がってしまい、そのうちタッチコントロールチップが浮き上がり接触不良が起きるのだという(iPhone 6ではタッチコントロールチップを保護していたEMIシールドがなくなっている)。
ループ病とタッチ病はいずれもチップとロジックボードの接触不良が原因という点で似ている。また、これらは初期不良ではなく、18〜24ヶ月間使用した結果起こる不具合という点でも同じだ。
筆者はアップルに不具合の原因や影響を受けた端末の台数について問い合わせたが、現状で回答は得られていない。しかし、同社の広報担当者は、マザーボードに対して次のように述べている。
「iPhone 7のスピーカー不具合に関する報告件数は非常に少ない。端末について質問があるユーザーは、アップルケアに問い合わせることを推奨する」
2017年の年末、iPhoneにはバッテリーの劣化に合わせて端末性能を制限する機能が導入されていたことが明らかになり、大きな問題となった。今回の不具合がJonesの指摘するような設計上の問題であったり、Cervaの指摘するような素材の問題であれば、アップルがトラブルについて公表し、保証内容を拡大することを期待したい。
バッテリー問題の際、アップルは長期間にわたって事実を認めなかったが、メディアからのプレッシャーが増したことでついに交換割引サービスを実施した。