キャリアコーチである私は、くたくたで燃え尽きた状態で相談に訪れたクライアントにはまず、毎晩どれだけ寝ているかを尋ねる。成人に最適な睡眠時間は通常、1日7~9時間だということが、科学的に証明されている。日ごろから十分な睡眠がとれていなければ、睡眠不足により間違いなく健康、判断力や仕事のパフォーマンスに影響する。
以下に、より良い睡眠をとり、仕事のパフォーマンスを向上するための5つの方法を紹介する。
1. 毎晩7~9時間の睡眠をとる
単刀直入に言うと、毎晩少なくとも7時間寝ていなければ、十分な睡眠とは言えない。必要であれば、睡眠時間をスケジュール表に組み込むこと。睡眠時間の確保に妥協しないことで、仕事により一層エネルギーをつぎ込む方法を見出せるようになる。
2. 就寝の少なくとも1時間前に電子機器を全て片付ける
パソコンの電源を切り、スマホを手の届かない場所に置いて、必要なら機内モードに切り替える。眠りにつく少なくとも1時間前までに、全てのデバイスを視界や意識から遠ざける。こうしたデバイスの使用は、レム睡眠を遅らせ、その量を減らしてしまい、翌朝の目覚めを悪くする。このような状態が続くと、深刻で慢性的な睡眠不足に陥る可能性がある。
3. 睡眠サイクルをリセットする
私たちには元来、睡眠スケジュールが備わっている。徹夜したり、出張でいくつものタイムゾーンをまたいで移動したりすることで、このスケジュールが狂ってしまう。スケジュールを元に戻して維持し、身体に適切な休息を与えることが重要だ。
4. 睡眠補助ツールを利用する
市場調査会社パーシステンス・マーケット・リサーチによると、睡眠補助市場は2020年末までに808億ドル(約8兆9300億円)規模に成長すると予想されている。需要があることは明らかだ。自らリサーチし、自分に合ったツールを選ぼう。睡眠モニタリング機器から、睡眠導入を助ける音響機器、睡眠時の呼吸を監視するアプリまで、さまざまなものが販売されている。深刻な問題を抱えている場合は、専門医に相談しよう。
5. 睡眠前に瞑想(めいそう)する
ハーバード大学の研究によると、「マインドフルネス瞑想」は不眠症の解消や睡眠改善に役立つという。翌日の会議のことが心配で落ち着かないまま布団に入った経験がある人もいるだろう。ざわつく気持ちを抑えるためのひとつの方法は、弛緩(しかん)反応を引き出すこと。まず、心を落ち着ける言葉(例えば「安らぎ」など)を選び、それに集中する。そして、自分を解き放ち、リラックスする。ただそれだけだ。自分の選んだ言葉に集中し、眠りに誘われるまで静かに呼吸を続けること。
十分な睡眠は、文字通り値千金だ。睡眠を大切にし、今晩はよく寝ること! 明朝あなたは私に感謝し、さらにはいずれ上司から感謝されることとなるだろう。
毎晩適切な睡眠時間をとることができれば、自分のポテンシャルを最大限引き出すことができる。7〜9時間を毎晩の睡眠に充て、脳をリチャージして翌朝を迎えよう。