トランプ大統領は(シンガポール到着後)ツイッターに、「興奮した空気に包まれている」と投稿。北朝鮮の国営メディアは両国関係の「新たな時代」を歓迎した。数十年にわたって敵対してきた両国の関係のトーンが、驚くほど変化したことを示すものだ。
だが、米国民の見方は変わっていない。金委員長の先ごろの韓国訪問や、最近になって朝鮮半島の平和を望む姿勢を打ち出し始めたことを受けても、依然として同委員長を「世界の平和と安全にとっての最大の脅威」の一つと考えている。
米政治ニュースサイトのポリティコが今月1~5日、初の米朝首脳会談を前に実施した調査結果では、回答者の22%が首脳会談について「北朝鮮の非核化に向けた大きな前進につながる」との見方を示した。だが、一方で36%は、「前進はあっても、北朝鮮の核放棄にはつながらない」と答えた。
また、「世界の平和と安全に最大の脅威をもたらす世界各国のリーダー」2人の名前を挙げてもらったところ、最も多くの回答者(43%)が記したのは、金委員長の名前だった。2位はロシアのウラジーミル・プーチン大統領(42%)、3位は今もなお自国民の多くから信頼を得られないトランプ大統領(26%)だった。
また、自国のリーダーに対する米国民の見方には、支持政党によって大きな隔たりがあることも示された。民主党支持者の48%はトランプを世界のリーダーの中でも最大の脅威と見ている。プーチン大統領(46%)と金委員長(40%)のいずれも上回る割合の人たちが、トランプを名指しした。
米国人が考える「世界の平和と安全に最大の脅威をもたらす世界の指導者」は、以下のとおりだ(米国の成人1215人から回答を得た。数字は左から、その人物の名前を挙げた人の割合、共和党・民主党支持者に占めるその割合)。
・ 金正恩(朝鮮労働党委員長)─43%/50%/40%
・ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)─42%/39%/46%
・ドナルド・トランプ(米大統領)─26%/3%/48%
・イラン指導部─12%/25%/2%
・バッシャール・アサド(シリア大統領)─5%/10%/2%
・ベンヤミン・ネタニヤフ(イスラエル首相)─4%/1%/6%