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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

「地域を救う人、事業」。毎年、この特集で気づかされる「人間の本能」がある。小さな可能性を見つけて、それを広げる努力ができることだ。環境は千差万別。忘れ去られた伝統や習慣から最先端のテクノロジーまで、ヒントは全国に落ちている。アドバイザリーボード10組が推薦・投票した全国の事例から、得票数が高かったものを6回に分けて紹介しよう。第2回は関東・甲信越地方。


長野県塩尻市 / MICHIKARAプロジェクト
──元ナンパ師公務員、大企業、市民が挑む


異なる企業の社員と職員、市民の1カ月間の協働により、課題解決に向けた新しい発想が生まれる

「地域に飛び出す公務員アウォード2013」大賞を受賞し、「渋谷のセンター街の元ナンパ師」というツカミのトークでも有名な長野県塩尻市の職員・山田崇を中心としたメンバーが始めたプロジェクトが「MICHIKARA」である。

リクルート、ソフトバンク、JTなどの社員と塩尻市の職員、市民が約1カ月間、フィールドワーク、SNSでの議論、2泊3日の合宿を行い、地域課題を議論する。最終的に塩尻市長に政策提言を行い、担当課に引き継がれる。

2016年1月よりスタートし、森林再生、地場産業のイノベーション、U・Iターン、ICT産業集積戦略など16の提言が施策に移され、「4割はすでに成果が出つつある」と山田。他力本願のようでいて、地元の実行力が問われる取り組みである。名の由来は、大企業、市民、行政の「3つの力」により、「未知から」と、一歩踏み出すこの「道から」。

神奈川県小田原市・箱根町 / 第3新創業市
──ヒューマンチェーン式に生まれた「新創業都市」


第3新創業市の起業塾の様子

小田原市は東京に近く、かつてはベッドタウンとしても知られながら、神奈川県では横須賀市に次いで人口減少が多い。

しかし、「普通の人が熱い想いでコツコツと動いて、信頼が生まれ、その信用が信用を生んで起業支援が生まれる好事例」(推薦した脇雅昭)。

最初の一歩は、街を活気づかせたかった旧三福不動産の山居是文が、空き家を借りて市内初のコワーキングスペースを開業したこと。入居者を求めて都内にまで声をかけに行き、徐々に人を集めた。そこへ、ベンチャー企業Hameeの樋口敦士、鈴廣蒲鉾副社長の鈴木悌介らが協力。2015年より「創業塾」を始めた。小田原箱根商工会議所と地元の金融機関が制度面や資金調達を行い、3年間でおよそ15社が起業。

市は「第3新創業市」というプロジェクトを起こし、地元出身の上場企業経営者まで巻き込んで、創業支援の街は誕生したのだ。

埼玉県秩父郡横瀬町 / YOKOZE CREATIVITY CLASS + はたらクラス
──「ソトものツアーズ」で、中学生がクリエイターに


中学生からプロフェッショナルなクリエイティビティに触れることで、子供の可能性を広げていきたいと橋本らは考える

「持続可能な地域づくり」とは、子供の成長にある! 秩父に隣接する農村部に、「ソトものツアーズ」と称して、都内のデザイナー、映像クリエイター、家具職人、コピーライターなど多才な人材が訪れ、地元の中学生と一緒に作品作りを行う。彼らが講師となり、横瀬中学校で8カ月間「YOKOZE CREATIVITY CLASS」を実施。中学生が制作した映像作品はデザインアワードアジアを受賞した。

主宰者は東京でデザイン会社に所属する橋本健太郎と、家具デザイナーの加藤健太、秩父エリアの情報発信サイト「ちちぶる」編集長の浅見裕ら地元出身の者たち。官民連携の「よこらぼ(横瀬町とコラボする研究所)」ともつながり、地元の商店主や職人なども講師に加えた「はたらクラス」なども展開。

「子供から大人まで誰もが地域づくりに参画できる有機的な仕組み」(OneJAPANの村上悠)だ。

文=Forbes JAPAN 編集部

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