ビジネス

2015.02.25

私の考える日本の素敵なリッチたち 日本を動かす50人


1位 MASAYOSHI SON 孫正義/ソフトバンク社長
資産:1兆9,700 億円(197 億ドル)
関連業種:IT 通信
年齢:56 歳、既婚、子供2 人


3年ぶりにトップに返り咲く。ソフトバンクは2014年3月期の連結決算で営業利益が初の「一兆円超え」、純利益も「ドコモ超え」と好調。米携帯通信大手のスプリント・ネクステル、米携帯端末卸売大手のブライトスター、フィンランドのゲームメーカー・スーパーセルなど積極的に買収を行った。また、近々、アメリカ最大の上場を計画している中国のアリババの株式保有もしている。

また、報道によれば、カリフォルニア州ウッドサイドに米住宅価格として過去最高の117億円(1億1,700万ドル)の不動産を購入した。

編集長コメント
上場することの最大の目的は、市場を通じた成長資金の調達である。だとすれば、孫正義氏は、間違いなく日本で最も正しく市場を理解し、活用している経営者の一人である。トップの使命は究極的には成長し続けることである。こういう成長志向のリーダーが日本には不足している。

2位 TADASHI YANAI 柳井正/ファーストリテイリング会長兼社長
資産:1兆7,800億円(178億ドル)
関連業種:衣料品
年齢:65歳、既婚、子供2人


ファーストリテイリングは中国、台湾、韓国など海外事業が売上高78%増と好調。今後もアメリカで本格的なチェーン展開を始めるなど海外を成長の柱と位置づけ、H&Mやインディテックスを抜き、世界最大のアパレルメーカーを目指す。長男・一海氏、次男・康治氏は後継者として、各々1,000億円(10億ドル)超の資産を保有しているが、いずれも正氏の総資産の一部になっている。

3位 NOBUTADA SAJI 佐治信忠/サントリーホールディングス社長
資産:1兆1,200 億円(112億ドル)
関連業種:飲料
年齢:68歳、既婚


サントリー創業一族の4代目社長。グローバル企業への立役者で、米蒸留酒最大手ビームの買収を行い、世界市場でのシェア拡大を狙う。とはいえ、1兆6,000億円を買収に投じ、のれん代の償却もあり、リスクも潜む。佐治氏の資産は18人の親族と共有しているが、8.9%は個人保有。今後1~2年で引退するという噂も。

編集長コメント
「安くてよいものをつくる」精神は消費者にとってはよい。しかし、企業としては高く売れるものをつくるほうが難しく価値がある。佐治氏は利益を出して社会に還元することの意義を説く。高いといわれたビーム買収にも「高くてもいい会社を買った方がよい」と言い放つ姿勢は明快だ。

4位 HIROSHI MIKITANI 三木谷浩史/楽天会長兼社長
資産:7,700億円(77億ドル)
関連業種:ネット通販
年齢:49歳、既婚、子供1人


楽天は、主力の電子商取引(EC)事業が好調。世界的に急拡大が見込まれるECも、国内ではヤフーがネット通販事業で出店料や売上ロイヤリティの廃止をするなど「価格戦争」に突入する見通しだ。しかし、米アマゾンをライバルとし、3月に無料対話アプリのバイバー・メディアを9億ドルで買収するなど、昨年以降少なくとも10件のM&A(合併・買収)を決め、積極的に事業展開している。

5位 TAKEMITSU TAKIZAKI 滝崎武光/キーエンス会長
資産:6,200 億円(62億ドル)
関連業種:電気機器
年齢:68歳、既婚


世界的なセンサー機器メーカーであるキーエンスの創業者・会長。2014年3月期連結決算で、純利益が過去最高を記録。円安効果のほか、国内外で工場向けの電気機器などの販売が好調。株価は過去1年で40%以上、上昇している。同社は研究開発に力を入れており、特許を数多く保有。それ以外にも、出来高払いの給与体系に魅力を感じて、ライバル企業から転職する技術者も少なくない。

編集長コメント
口癖は「人件費は経費ではなく、付加価値創造の要素」である。営業利益率50%、一人当たり給与1,300万円、無借金経営。高い付加価値の裏にはそれ以上の価値を取引先にもたらしているに違いない。経営者、従業員、顧客の三身WIN-WINモデルは経営のロールモデルだ。

高野真(フォーブス ジャパン編集長)

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