成果を出すために必要な「信頼貯蓄」
今振り返ると、「信頼貯蓄」をすることが成果を出しやすい環境づくりの全てだと私は思う。元々の信頼関係があるから、仕事やダンスでなにかあっても双方共に多少の融通はお願いしやすい。実際に振り返ると、多くの相乗効果が出ていた。
1. オンリーワンの肩書ができる
“踊る広報”というダンス×仕事のキャッチフレーズをつけたことで、両方が私のアイデンティティになった。ビースタイルの踊る広報として2015年ころから多くのメディアに取り上げていただく機会に恵まれた。広報担当としてメディアのみなさんに注目していただきやすくなる一方で、ダンスについても知っていただく機会が増えた。
2. 人脈・コミュニティが繋がりやすくなる
これまで、仕事の人脈がダンスに活きたりすることはほとんどなかった(その逆もしかり)。しかし、相反する性質の両立を実現しようとする熱意が人へ伝わったり、仕事とダンスの全く異なるコミュニティが増えたことで、語れる話題が増え、講演をする機会に繋がったり、普段ダンスとは一切関係のないような方々がダンス公演に足を運んでくれたり…これまでだったら、深く交わることのない人脈が、コミュニティが2つ以上あることで仕事かダンスかどちらかに活きてくる人脈になった。
3. 仕事の生産性が上がる
制約のある子育てママたちの生産性は高い。弊社にも時短社員や子育て社員はいるが、限られた時間で効率よく集中して仕事をしている。無限のように感じた時間に、週3日という制限がつくようになってからは「どうしたら効率よく成果に結びつけるか」を考えるようになった。その結果、自社サービスへ共感してくれるメディアの方に効率よく会うための広報イベントを企画実施したり、少しでも多くの方を巻き込もうと、いろいろな方へ沢山頼ったりなど仕事の仕方が変わった。こういった企画仕事はダンス公演やイベントを打つ時にもすごく活きている。
4. 双方への所属意識が高まる
成果を出すには、周りの協力が必須。たくさんの協力をしていただいていると、ふとした時にも周りから「支えられているなぁ」という実感が湧きやすくなる。実感が湧くとより仲間に貢献したい成果を出したいと自然と思うようになり、結果的に「じゃあどう貢献できるか」と考えるきっかけになり、双方への所属意識が高まるというわけだ。
5. 心が健康になる
単純に好きなことがやれているという満足感を得られると、日頃の幸福度が高くなる。私の場合は、もう一つの仕事がダンスという体を動かすものなので、仕事が切羽詰まったり、集中して体が緊張からこわばったりしても、稽古をするために無理やりにでも一旦頭から仕事が離れる。似たタイプの仕事ではない分、半ば無理やり頭の切り替えにもなり、身体もリフレッシュした状態で改めていい状態で仕事に向かえるので心身ともに健康になった。
働き方改革は動き始めたばかり。まだまだ、周りの人の考え方によっては働き方を選択できない面もたくさんあるだろう。一方で少子化による人手不足で採用難が続く現代では、働く側の意見も以前より通りやすくなっているはずだ。
大切なのは仕事もダンスも、信頼貯蓄があった上で働けているからこそ、無理なく本気でどちらも取り組めて相乗効果が出やすいこと。最初のフルコミット期間をどう過ごし、そこでいかに貢献したのか。この信頼貯蓄期間が私にいまの選択肢を与えてくれたんだと思う。