苦節17年でユニコーン化した「ローコード開発」OutSystemsの歴史

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スマホの登場で風向きが変わった

しかし、スマホの爆発的な普及と、それに伴うモバイルアプリケーションへの投資拡大によって環境が大きく変わり、競合も増えたという。「自社だけで新しい事業分野を作るのは難しいが、セールスフォースのような競合が現れて、我々と同じようなプロダクトを提供するようになって風向きが変わった」とRosadoは話す。

OutSystemsはアトランタ、ボストン、リスボンに拠点を構え、従業員数は現在の750人から年内に1000人まで増やす予定だ。Rosadoによると、同社がポルトガル発祥であることがグローバルな顧客基盤を築く上で役立っているという。現在では「デロイト」や「プルデンシャル」をはじめ、250カ国にまたがる数百もの企業が同社のサービスを利用している。

OutSystemsが事業を世界中に拡大できた背景には、同社の企業文化が大きく関与している。同社は7年前に7つのルールを明文化したが、その最初には「従業員は必要性に疑問を感じる業務について拒否することができる」と書かれている。Rosadoによると、このルールが事業を拡大する上で最も重要なのだという。

「従業員や投資家の忍耐強さがなければ、今頃事業は閉鎖に追い込まれていただろう」とRosadoは話す。同社は、今回調達した資金を使って、ローコード開発を世界中に広めることが可能になった。

Rosadoは17年をかけて自身の考えが正しいことを証明してみせたが、他の起業家には同じ経験をしてほしくないと考えている。「OutSystemsの軌跡から学ぶ点もあるかもしれないが、顕在化しているニーズに対するソリューションを考えることをお勧めする」とRosadoは話した。

編集=上田裕資

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