米朝会談の舞台「カペラ」 シンガポーリアン御用達の隠れ家とは

カペラの外観(Photo by Ore Huiying/Getty Images)



カペラから望めるシンガポール海峡(Photo by Ore Huiying/Getty Images)

敷地内には「Auriga Spa」の他に、3つの飲食施設と3つの屋外プール、図書室やギャラリーやフィットネスセンター、そして、結婚式などを執り行えるイベントルームも完備している。なかでも筆者のおすすめは、件の「Auriga Spa」とヌーベルシノワが堪能できる「Cassia」という中華ダイニング。孔雀たちがやってくるテラスでの朝食も楽しい。

本社はアトランタだった

さて、日本では耳慣れない「カペラ」ホテルだが、実はチェーン展開されており、現在、デュッセルドルフ、上海、カリブ海に浮かぶセントルシアのマリゴット・ベイ、セントーサ島にあり、まもなくバリ島のウブドにもオープンする。他にバンコクやシドニー、モルディブにもこれから誕生する予定だ。

実は、カペラを運営するCapella Hotel Groupは、少し前までは米ジョージア州アトランタに本社があり、筆者が2年前にセントーサ島で宿泊したときも、部屋に置かれたホテル紹介のパンフレットには、そのように書かれてあった。アトランタに本社を置くのに、アメリカ国内には1軒もないことを奇異に思ったことがある。

最近のグループの案内には、シンガポールに本社、中国、ヨーロッパ、アメリカにオフィスを展開し、Capella Hotels and ResortsとSolis Hotels and Resortsのふたつのブランドを運営しているとある。いつから本社が移ったのか、ちょっと気になるところではある。

当初、今回の米朝会談の会場としては、いまやシンガポールのランドマークとなった「マリーナベイ・サンズ」や、閑静な高級住宅街を周囲に控える「シャングリ・ラ・シンガポール」の名前が挙がっていたが(筆者はシャングリ・ラ推しだった)、このカペラを選んだのは、蓋し慧眼だと言える。

米朝会談の会場として選ばれ、少し「隠れ家」的なイメージは薄くなったとはいえ、このカペラが素晴らしいホテルであることに変わりはない。さて、トランプ大統領と金正恩委員長が、このシンガポーリアン御用達のリゾートでどんな時間を過ごすのか、まったくもってイメージが湧かないのは筆者だけだろうか。

文=麻桐修

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