ビル・ゲイツが大学卒業生に贈る「ファクトフルネス」の重要性

ビル・ゲイツ(Photo by Jack Taylor/Getty Images)

新たに就く仕事、大学院への進学に向けた準備や引っ越し──米国の大学を卒業したばかりの人たちは今、色々なことに思いを巡らせているだろう。そんな人たちに、米マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツが贈り物を用意している。

新たな生活を始める人たちに手にしてほしいとゲイツが考えるのは、公衆衛生の専門家で統計学者のハンス・ロスリングが息子夫婦とともに書き上げた著書、「Factfulness(ファクトフルネス)」だ。ゲイツは同著について、自分がこれまでに読んだ中で最も重要な1冊だと述べている。

プレゼントできるあらゆるものの中で、ゲイツがこの本を選んだのはなぜだろうか。そして、その中には何が記されているのだろうか?

5つの重要なこと

「ファクトフルネス」から学べる多くのことの中で、覚えておくべきことは次の5つだ。これらは私たちが世界に対する見方を変え、より良い生活を送るための助けになってくれる。

1. 世界は私たちが考えているより良い状態にある
2. 私たちには、世界を「われわれ」と「彼ら」という2つの陣営に分割する傾向がある
3. 常にあらゆることを心配し、事実に基づいた世界観を持つことができずにいると、私たちにとっての最大の脅威に集中できなくなる可能性がある
4. 私たちは大抵のことについて、悪化しているときに変化に気づきやすい
5. 私たちは「恐怖による支配」というレンズを通してメディアを見ている

ゲイツは英誌タイムに対し、「私たちがどれだけ進歩してきたかを理解していれば、進み方を加速させることはより容易になる」と語っている。

「世界がより良くなっていると思わない人はより悲惨な出来事に目が行き、どうすることもできないと考える。だが、どれだけの前進が可能かを理解している人は悪い状態を見ても、"どうすれば改善できる?"と考えるだろう」

データを調べて分析をするのは簡単だが、世界を十分に理解したいなら、実際に人と議論する必要がある。世界がいかに動いているかを理解し、あまりにも多くの人たちの判断を鈍らせている私たちの生来の偏見に光を当てるためにロスリングが実行したのは、現実の世界で実際に体験することだ。

真実を伝えることができるのは、事実だけだ。事実を信頼し、事実を最前線で身をもって学ぶなら、それに代わるものはない。

ビル・ゲイツからの贈り物を受け取るための条件

1. 米国の大学をこの春卒業した人である
2. 学士号、準学士号、または修士号を取得した
3. ビル・ゲイツのブログ「ゲイツ・ノート」に登録する
4. 専用ページに卒業した大学名を入力する
5. 「ファクトフルネス」を無料でダウンロードする

編集=木内涼子

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