市場規模10億ドルの「eスポーツ」活性化を狙う25歳起業家

Gorodenkoff / shutterstock

米国でeスポーツは盛り上がりを見せ、全米の大学45校以上にeスポーツ選手の育成を行なう学部や学科などがある。今年2月、調査会社「Newzoo」は世界のeスポーツ市場が2018年に9億500万ドル(約970億円)に達すると試算した。これは2017年の6億5500万ドルから、38%もの伸びだ。

その一方、米国の高校にはeスポーツを支援するインフラがなく、学校対抗でeスポーツ競技を行う仕組みも存在しない。

現在25歳のDelane Parnellが設立した「PlayVS」は高校対抗のeスポーツ大会を運営するオンライン・ゲームポータルだ。11月に同社とインキュベーターの「Science」は、全米州立高校協会 (NFHS)とパートナーシップを締結した。

「現在、800万人もの高校生が伝統的なスポーツをしていない。彼らは、eスポーツを通じて大規模な学校イベントに参加し、学校との関わりを深めることができる」とParnellは話す。

最初のシーズンは今年の秋に開催され、18〜20州の高校から約500万人の学生が参加する見込みだ。対象となるゲームジャンルは、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)、ファイティングゲーム、スポーツゲームの3つで、PlayVSはパブリッシャーとIPの使用許可について協議を行っている。

PlayVSは先日のシリーズA資金調達で総額1500万ドル(約16億5000万円)を調達した。出資元はNFLの「サンフランシスコ・フォーティナイナーズ」やNBA選手のバロン・デイビス、ロサンゼルス・チャージャーズのラッセル・オクング、ラッパーのNasなどだ。

Parnellが育った低所得者層向け公営住宅は、デトロイトの中でも特に治安が悪い地域にあった。父親はParnellが生まれる前に殺された。彼は幼少期を友人の家で過ごしたが、市が公営住宅を取り壊したため、母親に引き取られてデトロイト市西部に移った。
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編集=上田裕資

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