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ドクター本荘の「垣根を超える力」


IQは子供の頃に定まってしまい、その後も変わらないと思っていませんか? 「アタマの出来は生まれか育ちか」と問う人もいますが、成長の黄金期である10代に、IQは上りもしますし下がりもします。そして、情報をやり取りするほど、脳の経路は強くなります。

例えば、読書をたくさんすると、言語関係のIQは高くなる傾向があります。筆者は10代の頃、推理小説にハマったのですが、そのとき親から叱られ、「本なんか読まない!」と反発して読書をやめた経験があります。ジェンセン教授の話を聞いて、読み続けていればよかったと後悔しました。

大人でもやりがちなマルチタスクはどうでしょう。いくつも同時に進めることで充実していると感じ、気持ちの満足度は上がります。でも10代の脳に、「ながら勉強」はご法度です。大人に比べ、10代はマルチタスクがうまく実行できません。一度にひとつのことにしか集中できないのです。

それにマルチタスクでは、ストレスホルモンも出やすくなります。鬱や不安の症状との関連も言われています。だから、スマホを近くに置きながら勉強なんて、まったくいいことはありません。

睡眠不足じゃ脳が育たない

一般に睡眠は大切と言われますが、10代の脳には、それ以上にとても重要です。1日に9時間15分の睡眠が必要とされています。寝る脳は育つ。だから、週末に寝ていても、許してやってください。

日本でもアメリカでも、10代後半になるとともに夜更かしになり、睡眠不足かつ朝がスキっとしない生活パターンになる人が多いようです。10代はメラトニン(睡眠ホルモン)が出るのが大人より2時間遅く、体内に残りやすいので、朝は眠いのです。

ちなみに、スマホの画面を2時間見ると、メラトニンが23%減るという研究結果もあります。エナジードリンクが流行っていますが、カフェインの取り過ぎも問題です。とにかく、これらの誘惑に気をつけて、規則正しい生活のリズムをつくることです。

ならば、十分に寝て、「ながら」を許さず、読書や勉強するよう厳しく指導すればいいかと思ったりしませんか? でも、そう簡単にはいきません。

10代は、小さな子供や大人よりも怖いものに強く反応しやすく、他人の恐怖や怒りを見るだけで感情中枢が活発になります。総じてストレス反応がとても敏感なのです。そして、そのストレスは記憶力や思考力を低下させるため、「勉強しろ」と親や教師が迫って、ストレスで固まっては逆効果になりかねません。

文=本荘修二

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