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科学技術の未来、文化について執筆

Mr.Whiskey / shutterstock.com

ブロックチェーン技術を用いたアグテック(農業テクノロジー)企業として注目を集めるのが米コロラド州本拠の「Bext360」だ。同社はブロックチェーンでコーヒー豆の流通に革新をもたらそうとしている。

Bext360は先日、335万ドル(約3億6000万円)のシード資金を「SKS Ventures」や「Plug and Play Ventures」から調達した。同社のソフトウェアは「ステラ(Stellar)」のブロックチェーンネットワークを用いて農産物の個々を管理し、個別のトークンを発行する。

コーヒー農園で生産された豆が消費者に届くまでの全てのプロセスを、ブロックチェーンで管理する仕組みだ。コーヒー豆のトークン化で、農家は前払いで代金が受け取れるようになる。現状のコーヒー農家にとって悩みの種は、代金の受け取りまで数週間や数カ月も持たされることだ。

Bext360はコンピュータビジョンで豆を選別する専用マシンを開発。このマシンは一度に30キログラムの豆を分析可能で、農家にその場で報酬額を提示。報酬はデジタル通貨で支払われる。同社は既に米コロラド州のコーヒー豆販売企業「Coda Coffee」やウガンダのコーヒー豆貿易企業「Great Lakes Coffee」らと提携を結んでいる。

CEOのDan JonesによるとBext360は、今回のシード資金を用い同社のビジネスモデルを他の分野に拡大していく予定だ。今年後半にはアムステルダム本拠の倫理的ファッションを推進するイニシアチブ「Fashion For Good」と、コットン(綿)の流通のプロジェクトを始動する。また、パーム油に関わる取り組みも始動させており、ナッツや海産物、さらには鉱物資源や木材の取り引きも視野に入れているという。

「透明性を確保する」という使命

「Bext360の使命は環境に大きなインパクトを与える分野にフォーカスしていくことだ」とJonesは述べた。

フェアトレードやオーガニックコットンへの関心の高まりを受けて、ファッション業界では透明性の高いコットンの需要が伸びている。しかし、ファッション企業らにとって、自社が扱うコットンの透明性の確保は難しい課題だ。

「この業界では偽物のオーガニックコットンが幅広く流通している」とJonesは苦笑を交えつつ述べた。

コットンの選別はコーヒー豆に比べると、さらに高度なテクノロジーが要求されるという。この課題の解決に向けてBext360は、バイオメーカーと協力し遺伝子組み換えコットンなどの、偽のオーガニックコットンを見つけ出すテクノロジーの開発も進めている。

「テクノロジーの力で流通の透明性を確保していく仕事は非常に重要だ。出どころのはっきりしたアイテムを消費者に提供するだけでなく、サプライチェーンで流通する個々のアイテムの正当な価値が保てるようにしていきたい」とJonesは述べた。

編集=上田裕資

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