ビジネス

2018.06.03

ソフトバンク「ペッパー」が直面する海外事業拡大の壁

(Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images)


ボストン・ダイナミクスとの連携

アルデバランの創業者のBruno Maisonnierは2015年2月に同社を去ったが、その背景にはフランス側とソフトバンクとの間で、マネージメント面での文化的対立があったとされる(Maisonnierは現在、自動運転車やロボット向けのAIチップを開発するパリ本拠のスタートアップ「AnotherBrain」を率いている)。

ソフトバンクは様々な国の企業に出資しており、異文化を一つの企業文化に融合することに慣れている。それでも、新たに傘下に収めたマサチューセッツ州本拠の「ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)」とアルデバランを協業させることは、ロボティクス部門にとって大きな課題になる。ソフトバンクは、2017年にグーグルからボストン・ダイナミクスを非公開の金額で買収していた。

Boudotによると、彼のチームはボストン・ダイナミクスをはじめ、ソフトバンクが運営する10兆円規模の「ビジョンファンド」の出資先企業らとほぼ連日、協議を行なっているという。既にBoudotの配下の2チームがパリからボストンに移り、ボストン・ダイナミクスと密接に連携をとっているという。

孫は、半導体設計大手「ARM」やアルデバラン、ボストン・ダイナミクスを買収し、ビジョンファンドを通じてロボティクス企業やAI企業への出資を進めている。彼は世界で最も画期的なロボティクス企業らを一つに集約しようとしているが、その実現に向けての課題はまだ多い。

編集=上田裕資

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