2. クラウド事業による成長の加速
そうした驚きは、クラウド関連事業によってもたらされる可能性が最も高い。クラウドのインフラやプラットフォームではアマゾン・ドットコムに大幅な遅れを取るマイクロソフトだが、「Office 365」やCRMシステムなどのクラウドアプリケーションでは、アマゾンを上回っている。
クラウドサービスの売上高は今年1~3月期、アマゾンがおよそ54億ドルだったのに対し、マイクロソフトは約60億ドルだった。この金額が総売上高に占める割合は約20%だが、成長率への寄与度は63%だ。こうした急速な成長を受け、今年6月末までの会計年度の売上高は、2008年以来の大幅な伸びを記録するものと見込まれている。
3. AIとIoTへの「賢明な賭け」
結局のところ、期待を上回り続けない限り、株価の急騰を持続することはできない。それを実現するためには、マイクロソフトは「新市場への賭け」を売上高の急増に変えなくてはならない。
人工知能(AI)は、同社の成長おいて多大な潜在力を持つものの一つだ。マイクロソフトはクラウドプラットフォーム「アジュール」を通じて、顧客が自社のデータを分析できるAIサービスを他社の多くに先駆けて開始した。また、PCから受け継いだ“遺産”を持つマイクロソフトには、モノのインターネット(IoT)から新たな利益を得られる可能性もある。