ビジネス

2018.06.06

​個人情報の使い方にも「センス」が問われる時代へ

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大事なのは自分なりのポリシーを持つこと
 
フェイスブックをはじめとするSNSは、マーケティングの世界に革新をもたらしました。SNSの登場により、これまでメディアや企業からの情報発信の受け皿でしかなかった消費者たちが、情報発信する手段を手にしたからです。

これにより企業と消費者の関係が革命的に変化したことは、特に30代以降の方々であれば、その進化と共に歩んでいると言っても過言ではないでしょう。マスメディアの情報を鵜呑みにしてきた時代から、自分が信じる人々や各種メディアを参考とし、氾濫する情報を取捨選択することができる時代になりました。そして、レベルの高低はあるものの、目の肥えた消費者として、より便利で暮らしやすい環境構築をできるところまできています。

しかし、SNS上には、例えば表向きには「あなたは何タイプ?」と尋ねる情報提供ツールの顔をして、巧みに情報を引き出し、悪質な利用を目的にするようなソリューションが存在し続けています。そういう意味で、今回のフェイスブックの事件は、ユーザー側が安易に個人情報を共有してしまっていることへの教訓として捉えるべきでしょう。

さて、先述のGDPRは、個人情報データの主体は「個人」であるとするもので、「デジタルの世界での人権宣言」とも言われています。個人情報の見え方、見せ方、見られ方も、当然ながら個人の主義主張が反映されるべきものであるということです。

自分の情報が、どこで、どのような形で、誰に、使われているのか。こだわり方にも限度がありますが、つまり、例えばファッションやライフスタイルに自分らしさが出るように、個人情報の使い方にもその人の"センス"が表れてくるということなのです。

「Data is the New Oil(データは現代の石油)」と言われるいま、GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)を筆頭に栄華を極めるプラットフォーマーは、一人一人のユーザーの情報をあらゆる形で集積させ(=ビッグデータ)、石油精製していくかの如く価値ある資源に生まれ変わらせています。

そんなビッグデータ時代において、やみくもに情報を利用されるだけでなく、守るべきものは守り、ときに利用しながら、センスよく立ち振る舞っていくにはどうすればいいのか。本連載では、「センスのいい個人情報の使い方」について、模索、追及し、デジタルの世界での自分の見え方、見せ方、見られ方に着眼点をおいて発信していきます。

まずは今回、GDPR施行を機に、自身の個人情報データの開示方針を考えてみてはいかがでしょうか。

文=坂本雅志

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