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2018.06.05

Yコンの新たな取り組み、「投資家養成スクール」に行ってみた

Yコンビネータのプレジデント、サム・アルトマン(Photo by Getty Images)


著名なエンジェル投資家でもあるアルトマン氏だが、最初の頃の投資では、「ほんとうに自分でそのスタートアップに投資したいか」を考えていなかったことが、いちばんの失敗だったと振り返った。

当該のスタートアップに、他にはどの投資家が投資しているかを気にしすぎて、「多くのエンジェル投資家たちが投資しているスタートアップ=良いスタートアップ」と信じ込んでしまったという。そのうえで学んだことは、投資するうえでいちばん大切なのは「この会社は失敗することがないと思えること」だと話してくれた。

トレンドの見分け方

では、どのように巨大企業になれるスタートアップを見つけることができるのだろうか?

アルトマン氏は、「まだ誰も知らないスタートアップの創業者から届くメールを無視せずに、ひとりひとりの思いをきちんと読み、将来のダイアモンドを探すことだ」と断言した。創業者たちにはまだ良い人脈はないが、面白いアイデアは持っている。「9割は時間の無駄になってしまうが、1割は価値がある」と、粘り強く探すことが大切だと説く。

では、良いエンジェル投資家になる秘訣はというと、それはともかく「良い評判」だという。スタートアップのファウンダーたちの間で良い噂が立ち、どんどん良いスタートアップと巡り会えるサイクルをつくることが重要なのだ。

ちなみに、良いファウンダーの要素は、クリエイティビティがあり、独自の考え方があり、クレージーなアイデアがどんどん浮かぶこと。コミュニケーションスキルと独自サービスのエバンジェリストになること、そして、何よりも実行力が欠かせないという。どのくらいのスピードで新しいアイデアを形にすることができるのかがカギとなる。

最後に、エンジェル投資家としては、「トレンドの真偽」を見極めることも重要だ。実は、ほんとうのトレンドは、多くの人がいま使用していないものだったりする。例えば、iPhoneも最初はみなあまり興味を示していなかった。しかし、使っているユーザーは、必ずと言っていいほど感動して、友人に使ったほうが良いと伝えていた。この前兆を見逃してはいけないのだ。

VRヘッドホンでも考えてみよう。いま多くの人々がトレンドと思って購入しているものの、毎日使う人はそうはいない。せいぜい週や月に数回で、きっと本棚に眠っていることだろう。でもそれが近い将来、あなたの身近な友人や同僚が毎日VRを使い始め、あなたに購入をすすめたり、アプリについて熱弁したりし始めたら……それこそが真のトレンド。エンジェル投資をするタイミングです。

森若幸次郎

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