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michaeljung / Shutterstock.com

米国での移民に対する反対意見は、移民は米国人の仕事を奪うという、単純な(そして間違った)前提に基づいていることが多い。だが新たな研究により、移民は米国人の失業率を上昇させてもいなければ、就労率を低下させてもいなく、実態はその逆であることが示された。

ノースフロリダ大学(UNF)のマデリン・ザボドニー教授(経済学)が米国政策財団のために実施したこの研究では、「州レベルでの分析の結果、移民による米国人の失業率上昇や就労率低下は見られなかった」一方で、「移民が増えることで、同性・同学歴グループの米国人の失業率が下がり、就労率は上昇している」ことが分かった。

ザボドニーは州レベルの分析を通じ、2005~13年における移民の影響を調査。その州の移民の数に影響を与え得る経済状況も考慮した上で、次のような結果を導き出した。

・労働人口に占める移民の割合が1パーセントポイント増えると、同性・同学歴グループの米国人の失業率が平均0.062ポイント下がる

・労働人口に占める移民の割合が1パーセントポイント増えると、同性・同学歴グループの米国人の就労率が平均0.045ポイント上がる

・米国生まれの低学歴労働者が移民によって大きな悪影響を受けるという証拠はない一方で、米国生まれの高学歴労働者の就労率は移民によって上昇しているとみられる

・概して、移民の増加は米国人の失業率や就業率に大きく影響しない

移民が増えると自国民の仕事が減る、という意見は、経済の仕組みに関する誤った思い込みに基づいている。経済学者のウィリアム・S・バーナードはかつてこう指摘した。

「一般大衆の認識の中で、最も根強く繰り返される虚偽の一つは、移民は米国人の仕事を奪う、というものだ。これは、ある経済圏の中には一定数の仕事しか存在せず、そのため新しく来た者が元から住んでいた者の仕事を脅かす、という誤解に基づいている」

移民は米国人の就労率を下げるどころか上げている、というザボドニーの研究結果は、にわかには信じがたいかもしれないが、実は論理的に説明できる。

編集=遠藤宗生

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