それは当然だ。アメリカ道路安全保険協会(IIHS)の調査を見ても、セーフティ機能の進化のおかげで、自動車事故により死亡や重傷を負う危険は低下していることが分かる。IIHSが2015年におこなった調査によれば、クルマのセーフティ機能が1985年のレベルのままだったと仮定した場合に比べて、ドライバーの死亡数が7700人も減少している。
それでは、もっとも重要なセーフティ機能とは何だろう? 今回は7つをピックアップして紹介しよう。
1. アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
たいていグリルの内側に取り付けられたセンサーとレーダーを使って、自分の前を走行しているクルマにロックオン(追従)し、加速が必要な時にアクセルを踏み、クルマの流れが遅くなってきた時に自動的にブレーキを踏んで車間距離を一定に保つシステム。今日の中型クラス以上の車にほとんどが採用している。
ACCをもっとも使うのは、高速道路を長距離にわたって運転するときや、渋滞でノロノロ運転が続く時。もしACCが追突の可能性を感知すると、強くブレーキがかかり、シートベルトがぐっと締まる。
2. 自動緊急ブレーキ(AEB)
AEBは、新車を買おうとする時にユーザーがもっとも欲しがる機能だ。実は去年、ある友達が「AEB付きのクルマを買いたいけど、どのクルマがいいだろう」と相談してきた。というのも、彼は17年馴染んだドイツ車を運転中についうっかり居眠りをしてしまい、前のクルマに当ててしまったという。
そんな時AEB搭載車なら、衝突が起きそうな状況でドライバーがブレーキを踏まないと、自動的にブレーキがかかるわけだ。先のIIHSの調査でも、AEB搭載車では「おかま掘り」は50%に減少するという結果が出ている。
ある日産・インフィニティQ50のドライバーはこう話していた。「緊急の場合、AEBは私自身が反応するより、ずっと迅速でしたよ。わたしの足がブレーキペダルに届く前に、ブレーキがかかっていましたから」。ただし、各カーメーカーのAEBには個性があるので、車種によっては反応が過剰ではないかと不満をもらす人がいるのも確かだ。
3. 車線逸脱警告 / レーンキープ
この2つは別の機能なのだが、ここではひとつにまとめておこう。車線逸脱警告は、走行中にクルマが車線の白い境界線をまたいだり、意図せず車線から外れて行った場合に、警告音を発したりシートやステアリング・ホイールを振動させて、注意を促す機能だ。一方レーンキープは、逸脱するクルマをゆるやかに車線の中に引き戻す機能。もし、白線が薄いなど、システムが道路のラインを判断できない場合は、この機能を切ることができる。