働く米国人の約半数は「夏休み取らず」 有給取得率も低水準

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米国は戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)を境に、夏の旅行シーズンに入った。だが、先ごろ発表された調査結果によると、同国の半数近くの人が今年は夏休みを取る予定がないという。また、およそ4人に1人は金銭的な余裕がなく、休暇を取ることができないと答えている。

市場調査会社GfKが個人向けの金融情報サイト、バンクレート・ドット・コムの委託を受けて実施したオンライン調査の結果、夏休みを取らないとする理由のうち、最も多かった「経済的な余裕がない」の回答は特に、ミレニアル世代(18~37歳)に目立った。全体として2番目に多かった答えは、「家庭の用事」で、次いで「仕事を休めない」が多く挙げられた。

バンクレートのアナリスト、アマンダ・ディクソンはこうした結果について、「米経済は好調だが、それでも多くの人が家計のやりくりに苦労している」と指摘する。

お金の問題を理由とした人が最も多かったミレニアル世代に、「忙しくて休めない」と答えた人も多かったと見られる。一方、X世代(38~53歳)とベビーブーマー世代(54~72歳)は、仕事よりも家庭の都合で夏休みを取れないと答えた人が多かったようだ。

ディクソンはまた、結果のうち最も意外だった点として、休暇を取得して出掛ける予定だという人の予算の中央値が1000ドル(約10万円)だったことを挙げた。同社が年初に行った調査では、緊急時用の貯金が1000ドルに満たない人が過半数だという結果が示されていたためだ。

休暇中に出掛ける予定と答えた人の多くが、予算を1000ドルまでと回答。2000ドル以上だと答えた人は、24%だった。また、回答者の居住地別に見てみると、予算を1000ドル以上とした人が最も多かったのは、北東部だった。

夏休みを取って出掛ける計画を立てている人が多いのは、幼い子供を持つ親、28~53歳までの人、高所得者、高学歴の人と見られる。

一方、アンケートでは、有給休暇の取得についても質問した。有給休暇が認められている人のうち、全て消化すると答えた人はわずか36%だった。およそ25%は、認められる日数の4分の1までの休暇を取ると回答。さらに、このうちの半数近く(13%)は、1日も取得しないつもりだと答えた。

これらの結果は、5月4~6日に1000人を対象に行ったアンケートに基づくもの。バンクレートは、米国の人口構成を正確に反映し、信頼に足る結果を確実に導き出すため、ウエイトをつけて集計したと説明している。許容誤差は±3%。

なお、AP通信とシカゴ大学全国世論調査研究センター(NORC)が昨年5月に成人1022人を対象に実施した夏季休暇に関する調査でも、今回の調査とほぼ同様の結果が示されていた。

編集=木内涼子

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