Azimoの累計資金調達額はこれで5000万ドルに達した。世界のクロスボーダー送金市場は6000億ドル(約65兆円)規模とされ、Azimoは事業拡大を加速させる。
同社CEOのMichael Kentは声明で次のように述べた。「楽天キャピタルと緊密な関係を構築できたことを嬉しく思う。調達資金によりサービスの改善に務め、顧客基盤の迅速な拡大を実現していく。我々が主要なマーケットに位置づけるのは、送金分野で世界最大規模でありながら十分なサービスが実現できていないヨーロッパ市場だ」
楽天キャピタルのマネージングパートナー、Oskar Mielczarek de la Mielは「Azimoが掲げるミッションやその実行力に共感している。Azimoは送金分野で最高のテクノロジーを持つ企業であり、同社の事業は急速に成長を遂げている。我が社が最初にAzimoに出資を行なって以来、顧客獲得コストは3分の2に低下した。今後の12カ月のうちにAzimoは持続的な収益性を実現することになる」と述べた。
楽天は2015年11月に1億ドル(約109億円)のフィンテックファンドを設立。2016年5月にAzimoに1500万ドルを出資していた。Azimoの主要なサービスの1つが、モバイルアプリを使って海外で働く人々が母国へ送金できるオンライン送金サービスだ。
同社の送金プラットフォームは80以上の通貨に対応し、190カ国以上で資金の受け取りが可能になっている。
Azimoの競合には「TransferWise」や「WorldRemit」といった企業があげられるが、同社は昨年、取り扱いボリュームを2倍に伸ばし、送金額は10億ドルを突破した。また、登録ユーザー数は150万人を超えている。
マッキンゼーのデータによると、世界の一般消費者の国際送金ボリュームは年間6000億ドルに達しており、そのうち1650億ドルを欧州が占めているという。
「この分野の主要企業は市場シェアの10〜15%を獲得している。Azimoはそのポジションを目指していく」とMichael Kentは英「フィナンシャルタイムズ」の取材に述べた。