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2018.05.29

フライト遅延を「甘いブレーク」に キットカットの巧みな新企画

hilalabdullah / Shutterstock.com


ひとつのブランド・アイデアに固執するのには限界があるという意見もあるかもしれない。しかし、キットカットが証明し続けているように、実際にはその逆だ。

キットカットは、パラグアイの公園である企画を行った。園内の特定のベンチに1分間以上座った人に、キットカットをひとつ無料でプレゼントするというものだ。休憩を取った人に褒美を与えるほど、"ブレーク"を重要視している、というメッセージだ。

別の企画では、屋外の広告掲示板に「Have a br」と書きかけのキャッチコピーを掲示し、あたかも作業員がブレークを取っているかのように、本物のはしごを立てかけておいた。

また、12月のクリスマスイブまでの24日間を数える待降節カレンダーを模し、「24 Breaks Before Christmas(クリスマスまであと24回のブレーク)」として24本のキットカットをつなげた特別パッケージを作ったことは、多くの人の記憶に残っているだろう。

その他にもまだまだ多くの事例がある。しかしここで私が言いたいのは、ひとつのブランド・アイデアにこだわり続けることは、創造性を制限することではないということ。実際にはその逆で、解放的なものだと私は考える。

なぜなら、それぞれの企画は「ブレークの重要性をどうやったら人々へ伝え続けられるだろうか」という点から始まり、ソーシャルメディアや広告、イベント等でその答えを探す作業だからだ。どんなに楽しい仕事だろう?

さて、私もここでキットカットのブランド・アイデアの精神にならい、この記事を不意に打ち切ってブレークを取ることにしよう。

編集=遠藤宗生

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