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Africa Studio / shutterstock

アプリ経由で住宅リフォームローンを提供するフィンテック企業として、急成長を遂げたのが「GreenSky」だ。米アトランタ本拠の同社は5月24日、ナスダック市場に上場し8億7400万ドル(約956億円)を調達。フィンテック関連のIPOでは最大規模の資金調達を果たした企業の1社になった。

連続起業家として知られる同社CEOのDavid Zalikの資産額は、今回の上場で25億ドル(約2700億円)に達した。2006年にZalik が創業したGreenSkyは、家屋の屋根の取り替えやスイミングプールの新設などの住宅リフォームを行なう顧客に対し、最大6万5000ドルのローンを提供する。

GreenSkyのビジネスモデルはデジタル時代の融資の仲介業とも呼ぶべきものだ。同社はこれまで170万人の顧客に対し、120億ドルのローンを提供している。

2017年12月の資金調達ラウンドで同社は、「PIMCO」や「TPG」「ICONIQ Capital」らの出資を受け、企業価値は45億ドルに達していた。GreenSkyは6年連続で黒字を達成しており、2017年の売上は3億2600万ドル、利益は1億3900万ドルだった。

GreenSkyは2016年からヘルスケア分野にも進出。眼科医や歯科医と提携し、レーシックや歯列矯正向けのローンの提供も開始した。同社のビジネスモデルは、マーケットプレイス型貸付を行なう「LendingClub」や「OnDeck」とよく比較されるが、GreenSkyの業態は他社とは異なっている。

GreenSkyのビジネスモデルでは、貸付リスクはパートナーの大手銀行が負っている。銀行らはGreenSkyに対し、貸出額の推定1%を支払っている。同社はまた1万2000名に及ぶ建築業の運営者を受託業者として抱えており、彼らは約定したローン金額の約6%をGreenSkyに支払っている。

ハーバード大学のリサーチによると、2017年の米国人の住宅リフォーム関連の支出は3150億ドルに及んでいた。ただし、GreenSkyは上場申請書類の中で、今後のリスク要因として金利の変動をあげている。同社の今後は、継続的に銀行の支援が受けられるかどうかにかかっている。同社の資金の90%近くが、「SunTrust」や「Regions」「Fifth Third」「Synovus」の4銀行からもたらされている。

4歳でイスラエルから米国に移住

Zalikは4歳で両親とともにイスラエルから米国にやってきた。その後、14歳で彼の初めてのビジネスとして、量販店からコンピューターのパーツを購入し組み立てる事業を開始した。その頃、飛び級でアラバマ州のオーバーン大学に入学したが、コンピューター事業のために大学はドロップアウトしたという。

現在44歳のZalikは「自分が上場企業のCEOになるなんて、一度も考えたことがなかった」と話す。Zalikはメディアの取材にはほとんど応じないことで知られている。

上場申請書類からZalikがGreenSkyの発行株式の1800万株以上を保有していることが、明らかになっており、その価値は4億1400万ドルと算定される。彼は今後もCEOのポジションにとどまり、同社のクラスB株の保有により50%近い議決権を行使していくことになる。

GreenSkyのナスダック上場にあたっては、「ゴールドマン・サックス」や「J.P. Morgan」「Morgan Stanley」が引受人を務めた。

編集=上田裕資

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