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数字で読み解くファッション業界の現在




──つまり「パーソナルスタイリングアシスタント」のような分野から、ファッション業界でもAIの活用が進んでいくということですよね。

金山:そうでしょうね。特に服の購入は分かりやすいです。すでにビジネスとして対価が発生しているところを、よりなめらかにしていくはずです。購入が関わらない手持ちの服からセレクトする場合は、まず何を持っているのかという話になりますし、なかなかビジネスが発生しづらいでしょうね。

──その領域ではAmazonがAmazon Echoとファッション版のEcho Lookを出しています。将来的には音声のパーソナルアシスタント、スタイリングアシスタントのような展開を視野に入れていると考えられますよね。スマートスピーカーの台頭などもあり、「音声入力」が注目を浴びていますが、ファッションテックにおいてはいかがでしょうか?

金山:ファッションテックだからという理由でが音声入力の恩恵を特別に受けることはあまりないと思っています。音声入力の1番のメリットは入力が速いこと、両手がハンズフリーになること。

両方とも別にファッションテックでなくとも享受できるメリットです。もちろん、音声入力や音声出力にはすごく大きな可能性があると思っていますが。

──音声によるスタイリングアシストについてはどう思われますか?

金山:たとえばスタイリングアドバイスを数値で出されるよりかは音声の方が自然な気はしますね。「今着ている服は似合わないから隣の黒のジャケットにしてください」みたいに、音声で言われた方が分かりやすいじゃないですか。でもその裏には結局、機械が判断するための数値化が必要なんですよね。機械が数値によるスコアリングし、基準に対して推薦をする。それを音声で発音するという流れですね。

音声であれば服を着ながら「これはどう?」とか聞けますし、スマホを見る必要もないので圧倒的にラクです。特に服を決める部分、たとえばお店の試着室に音声アシスタントがあってもいいと思います。

AmazonやSTITCH FIX、海外企業とどう戦うか?

──先日スタートトゥデイグループの決算発表で海外の売り上げを大きく伸ばしていこうというお話がありました。今後はその中でPB(プライベートブランド)が重要な位置を占めるということでしたが、PBで海外となると当然AmazonのPBやSTITCH FIXのPBのように、テクノロジー企業が相手になってきます。テクノロジー視点で勝算があれば伺いたいです。

金山:我々はいま、完全にチャレンジャー。既に持っているアドバンテージはベンチャーマインドぐらいかもしれません。失うものが何もないという気持ちと、今からマーケットに参入するのでゼロベースで考えられることだけです。



AmazonはPBのブランドも20以上あります。売り上げの規模やノウハウも彼らの方が全然先を行っていますし、相当差をつけられている。

だからこそ、ハードワークや瞬間的なひらめき、綿密な戦略が必要になります。ただ、スタートトゥデイ自体も最初はベンチャーでしたし、このスタートトゥデイテクノロジーズについては4月に設立したピカピカの会社。失うものは何もありません。チャレンジャーとしてやっていくしかないですね。

勝算がないわけではないですが、具体的に全てが見える化されていて数年後までの綿密なロードマップがあるかと言われれば、そうではありません。大きな方針は決まっていますがこれから、それの詳細を詰めていくところです。

もうひとつアドバンテージがあるとしたらアジアですね。ZOZOSUITのような採寸アイデアは別に僕らの専売特許ではなく、コモディティ化されていくでしょう。ただ、時間的なアドバンテージは取れる。そうなったとき、我々は日本人を中心に大量の人口がいるアジアにいち早くリーチできる。そう考えるとアジアに勝機があるかもしれません。

構成=大崎真澄 写真=小田駿一

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