ビジネス

2018.06.01

「ありのまま」でいてほしい | 家入流ゆるふわ経営論 第4回

Natee Meepian / shutterstock.com


事業領域が近いこともあり、これまでいい意味でライバル視して「負けるものか」という気持ちで働いていた社員も少なくありませんでした。なので、グループ入りをすることでみんながショックを受けることは容易に想像できたし、実際、発表をしてみると、その場で泣き崩れる社員もいました。

これまで、福岡で大切に育ててきたペパボのカルチャーが、なくなってしまうんじゃないか。不安で、みんなピリピリと張り詰めていたんです。

そんななか、GMOの代表である熊谷さんやGMOの皆さんの、ペパボ社員たちへの配慮はものすごかった。熊谷さんは福岡のオフィスへやってきて、僕たちの前でこう言いました。「ペパボのカルチャーは素晴らしいです。むしろそのペパボ色で、GMOを染めてください」と。

実際、僕はグループ入りにあたってGMOにいくつかお願いをしていました。社名は変えたくない、スタッフはみんな守りたい、福岡のオフィスも継続させたい、と。すると熊谷さんは「むしろ変えないで欲しい」と言ってくれたのです。ありのままを受け入れてくれた。これには本当に感謝しました。

M&Aというと、僕にはそういう原体験が思い出されます。なかには劇的に買収をして世間の注目を引いたり、スタッフを解雇して一気に再生させる。そんな強固なやり方もあります。でも、僕はそういうことはしたくない。事業は人がつくるし、人で動く。

だから、今回サービスを引き受ける側になった僕は、関わる全ての方々の気持ちをないがしろにするようなM&Aは絶対にしないぞ、と強く思いました。ですからプレスリリースにも「買収」という言葉は使わないようにしました。あくまで「事業譲受」。僕たちは事業を譲り受けたに過ぎないのです。

『FAAVO by CAMPFIRE』は徐々に始動していて、「FAAVO」の皆さんとも、密にコミュニケーションをとっている最中です。事業譲受の発表前に、僕宛に直接メッセージをくれたFAAVOのスタッフの方がいて、とても嬉しくなりました。自分が書いた返事を読み直すと、そこには新しい仲間が増えることや、これから共に地域における取り組みをやっていけることに対する期待など、密かな高揚感がありました。初心を忘れないようメッセージを転載します。

スタッフの皆さんと、そして地域の皆さんと向き合いながら、地域のための取り組みを広げていけたらと思っています。応援どうぞよろしくお願いします。



こちらから先にすべきところ、メッセージをありがとうございます!

地域のために出来ること。僕らプラットフォームに出来ること。これまでも僕らなりに考えてやってきましたが、FAAVOのみなさんと出会い、お話しさせていただく中で、目指す世界や理念に激しく共感し、「ぜひご一緒に事業をさせていただきたい!」と今回ラブコールをさせていただきました。

これから先どうなるのか、不安なことも多いと思います。でも、それを解消するのが僕の役目だとも思います。地域に居場所を作る役割を担う私たちが、不安や不満なく働ける居場所を作ること。それが会社の役割であり、僕の役目でもあります。

FAAVOブランド、FAAVOカルチャー、ぜひ、むしろ、CAMPFIREにインストールしてください。そして、一緒にアップデートしていきましょう。

いま日程を調整中だとは思いますが、皆さんとのご飯会でまた改めてお話しさせてください。まだ皆さんと繋がれておらず、上記メッセージを他のみなさんにもお伝えいただけますと幸いです。

これからよろしくね。

連載:家入流「ゆるふわ経営論」
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文=家入一真

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