日本でも#MeToo から男女平等を目指せるか

男女平等の話題は後を尽きない


空気を読まないといけない日本人

声をあげるものが讃えられる欧米に比べて、日本は「調和」の国である。人と異なる意見を述べる者は「空気が読めない」と批判される。2007年に流行語大賞に選ばれた「KY」もそれを指す言葉であり、私たちは集団の中で空気を読むことが重要視されるのだ。

日本におけるセクシュアル・ハラスメントや、性差別の要因は1つではない。今まであげてきたように、教育や、社会問題に対する意識、国民性、政界や伝達の場における女性の進出など、さまざまな問題があるだろう。他にもあげればキリがないが、女性を評価する「可愛い」という言葉は元来「弱さ」を含んでいる言葉だ。そうした言葉とともに作られてきた女性像が、長らくあることも事実だろう。はたまた、性教育を見直す必要もあるかもしれない。一筋縄で解決できる問題でもないことは、みな痛感しているだろう。

世代の話になるが、ミレニアルズはグローバルな価値観を持つ世代である。インスタグラムやネットフリックスなどでグローバルな価値観を摂取しつづける若者にとって、現在の日本の男女格差に疑問を呈するのも自然な話だ。#MeTooやセクハラ問題について、社会全体に疲労感が漂っていると言われるが、そんなことはない。若きアクティビストやメディア、コミュニティも増えている。筆者自身も女性向けエンパワーメントメディア「BLAST」を運営しているが、共感をする女性たちからのメッセージが頻繁に届いている。

こうした気付きや疑問は、若い女性だけでない。セクハラが当たり前であった時代に生き抜いてきた女性たちが、自身たちの責任をも感じながら、それを内省するようなメッセージも増えてきた。セクハラに対して、黙認すること、適応することが正義だった時代はもう終わった。結婚できない女性が「負け組」でもない。女性が女性に対してレッテルを貼ることも多かったが、それももう終わり。まさに#TIMESUPだ。どんな年代の女性も声をあげられる、あげるべき時代だろう。日本における男女平等への変革は、いま過渡期真っ只中なのだ。

連載 : ミレニアルズとユースカルチャー
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文=石井リナ

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