では、この状況で「得たい結果」を出すために、どのようなことが必要なのだろうか?
もちろん、結果が出ないのには様々な理由があり、それが複雑に絡み合っているのは間違いないだろうが、「忘れがちな重要ポイント」に意識が向いていないことも一つの大きな理由だと思う。そもそも、今までと違う「結果」を出すためには、今までとは違う「行動」をしないといけない。
それのためには、新たな「選択肢」を設ける必要がある。今までとは異なるチョイスを生み出し、行動を変えることではじめて今までと違う結果が得られる。そして、今までやってきたコトとの「違い」「変化」を分析する中で、「この選択や行動の良し悪し」のフィードバックが得られるようになる。
とはいえ、「新たな選択肢を考えろ!」と言われても、そんな簡単に選択肢が増えるわけがないと思うかもしれない。では、「選択肢」を増やすためには何が必要か。
それは、新たな「気づき」だ。今までと異なる視点や視座からの「気づき」があってはじめて選択肢は広がり、それが行動や結果につながっていく。そして、「気づき」の幅を広げるために最も大事なポイントは、「意識」「注意」である。自分の意識や注意がどこに向いているか、「何を見ていて、何を見ていないか」を認識することが大事であり、この理解があってはじめて意識や注意をズラすことができるようになり、今までと違う「気づき」につながっていく。
例えば、コップ半分の水を「もう半分しかない」と捉えるか、「まだ半分ある」と捉えるかでモノの見方は違うし、そこから生まれる選択肢もずいぶん変わってくる。自分の担当のお客様を「数字を達成するための対象物の一つ」としてみるか、「一緒に課題に立ち向かいビジネスを推進していく仲間」として見るかで、マインドセットもお客様に対するモチベーションも、そこから生み出される選択肢も変わってくる。
ひとつひとつのモノゴトや人について、自分はどのように見ているのか?なぜそのように見ているのか?違う角度から見たとしたら、どんな景色が見えるのか?そして、自分が今まで向けてきた意識や注意をズラした時に、不安や恐れ、ワクワク感などを含め、どんな感情や感覚があるのか?それらに「気づく」ことで、自然と新たな視点が自らの中に生まれていく。
案外、自分の意識や注意をひとつのところからしか見ておらず、そこに固執していたことに気づくかもしれないし、何かきっかけがあってその見方をするようになったのかもしれない。そして、それはただの「意味づけ」であって、実は意味のないコトなのかもしれない。
この続きは後編で書くが、多くの人は「行動したこと」だけを見ていて、「自分が何をどのように見ているのか?」「そこからどんな気づきの中でモノゴトを選択しているのか?」「その選択からどんな行動が生まれ結果を導いているのか?」をクリアにすることを疎かにしていることが多い。
ぜひ、ご自身のリアルなパターンや経験を題材に、思い返してみてほしい。
連載:組織マネジメント以前に大切なこと
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