ビジネス

2018.05.25

VUCA時代、ビジネスパーソンが「結果」を出すために忘れがちなマインドとは(前編)

Sergey Nivens / Shutterstock

「変化が激しい世の中で、 今までと同じことをしていても結果に結びつかない」「結果を出すためにアクションを変えろ。そのための方策を考えろ」と、この数年叫ばれ続けている。今までと同じことを「効率良く」行うことで成果が上がっていた時代はとっくに終わり、周りの環境や思いもよらない影響によって、常に状況が変化する時代になっている。

VUCA(Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧))の時代と呼ばれる今、どの業界でも競争が激しくなり、企業各社は生き残りのために四苦八苦している。経営層は効率性と利益を追求し、人は減るが業務量が増えるという状態が続いている。加えて、この厳しい状況で「働き方改革」を導入する必要に迫られ、物理的に働く場所を変えたり、残業を禁じたりする企業が増えている。

このような変化が重なっている中、どれだけの人が「結果」を出すために本気で今までと違うやり方を考え、試しているだろうか。結局慣れ親しんだやり方を続けてしまい、新たなチャレンジを脇に置いていないだろうか。

今までと同じコトをやって、今でも通用するコトは何か。やり方を変えないと結果に結びつかないコトは何か。そもそも自分にとって・組織にとって本当に得たい「結果」とは何だろうか。

私が多くの人にインタビューする中で強く感じたのは、「今までと違うアクションが必要だ」と叫んでいるものの、多くのことが不明瞭・曖昧なままでクリアになっておらず、かつ新たなチャレンジに対して恐れや不安があり、アクションに踏み出せていない人や組織が予想以上に多い、ということだった。

右肩上がりの成長を経験してきた経営層の人たちは、昨今の激しい変化を「体験したことがないので、どう乗り越えれば良いか想像できない」状態にあることが多い。そのせいか、進む道を明確にするというよりも、売上や利益額などの単純な数字によって組織を「管理・統制」しようとする。

ミドルマネージャーたちは、「今までのスタイルでは対応できず、上記の状態に陥っている経営層にも頼れない。誰を参考にして良いかわからないなか、仕事はどんどん増えていく」状態であり、休むこともままならずプレッシャーは強まるばかりで、ストレスがどんどん蓄積されている。

若手・中堅層は「いろいろな施策(という名の数字)は降りてくるものの、上層部やマネージャーのやることに一貫性がなく、何をやっても成果が出ない」というイメージを持ち、モチベーションがわかないなかで仕事を抱え、疲弊していく状況が続いている。
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文=稲墻 聡一郎

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