ビジネス

2018.05.25

焚き火、温泉、キャンプ...... 事業成長のカギは「非日常」にあり

レオス・キャピタルワークス代表取締役 藤野英人(左)、MATCHA CEOの青木優(右)


──改めて、青木さんが投資家キャンプを開催しようと考えた背景や意図を教えてください。

青木:きっかけは、会社内の合宿でキャンプをしたことです。その時に焚き火の様子をSNSに投稿したら、株主である藤野さんや琴平電鉄CEOの真鍋さんたちが「俺も呼んでよ」ってコメントをくださって。この人たちを全員集めたら、純粋に面白いなって思ったんですよね。

僕自身は株主の方にお時間をいただきお話することは多いですが、僕以外のメンバーも一緒に株主の方々と対話ができたら、各々が課題に感じていることに対するヒントをもらえますし、株主同士が繋がったらきっと何か新しいことが起こるだろうなと思いました。

それで、MATCHAの事業成長をより加速させるための知見を得ること、投資家同士の強い結びつきを生むこと、その場の議論から僕自身の可能性や専門性に気付くことで、メンバー全体の成長に繋げることの3つを目的に投資家キャンプを開催しました。

実際やってみてめちゃくちゃ面白かったですし、この3つの目的は達成できたと思っています。

──藤野さんは参加してみていかがでしたか?

藤野:スノーピークの山井さんが「キャンプとは人間性の回復である」と良い言葉を仰っていますが、実際にみんなで美味しいご飯を食べて、温泉に入って、焚き火を見ながら語り合って、翌朝ヒバリの声でスッキリ目覚める体験をさせていただいて、その言葉の意味を、身をもって理解することができました。

参加者が人間性を回復した状態で触れ合うからこそ、よかったのかもしれない。あれは、東京のホテルの一室で議論をしても生まれない絆でしたね。他の投資先でもやりたいと思うほど、有意義な時間でした。

私も長く投資家としてやっていますが、そもそも投資家同士がお互いの話を聞く機会って、これまで意図的に開催されたことは無いんじゃないかな。ありそうでなかった。株主にプレゼンさせるって、なかなかいいアイデアですよね。

株主たちは何らかの理由で「MATCHAに投資をしたい」と思い投資をしているわけですから、株主同士、価値観が似ている可能性が高いわけです。実際、ファイナンスやメディア、ローカル鉄道の社長といった様々な専門家が集まりましたが、「似ている価値観、かつ異なる領域のスペシャリストたちが集う価値」はすごくあると感じましたね。「株式」は英語で「シェア」と言いますが、まさにそれぞれの情報や知識を短期間でシェアできたのはとても良かった。


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構成=小野瀬 わかな 写真=林 孝典

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