ビジネス

2018.05.25

就業中の転職が有利な理由 失業者ができることは?

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3. 就業中の求職者は、自分の推定市場価値を理解している

就業中の求職者は、福利厚生を含む自分の全給与を把握している。給料の高い企業で働いている人なら、市場の平均給与よりも低い給与を提示した仕事に飛びつくようなことはない。また、強力な自己ブランドを維持し、リクルーターから電話を受けているようであれば、自分の市場価値についてより深く理解しているはずだ。

失業中の(特に何カ月~何年も働いていない)人は、市場の感覚を失っているかもしれない。仕事上の関係が切れ、リクルーターの友人や昔の同僚に気軽に電話し、現在の給与レベルを尋ねることもできない場合は、低めの給与額を提示されても気づかないかもしれない。

しかし、役に立つ給与情報を時間をかけて集め、自分の市場価値をより良く理解すれば、自分にふさわしい条件を得るため交渉できる。

4. 就業中の求職者は、人脈を構築しやすい

就業中の従業員全員が強力な支援の輪を持っているわけではない。とはいえ会社で働いていれば、失業しているときよりも多くの人に囲まれている。オープンな作業スペースに座ったり、仕事の一環として業界の会議に出席したり、社外の会議に出席したりと、臨時の機会に顔を出すことで、市場の情報を得たり、仕事の誘いを受けたり、イノベーションやトレンドに関するインサイト(見識)を早期に得たりできるかもしれない。

失業中の候補者は、自分からこうした交流に参加しなければならない。失業中であれば、何らかの活動に参加したり、コワーキングスペース(独立した仕事を行う共有スペース)を借りたりしない限り、こうしたカジュアルな交流を通して有益な人脈を作ることはできないだろう。

しかし、食事会を予定したり、ミートアップなどのグループに参加したり、アカウンタビリティーグループ(同じ目的を共有し、進捗を共有することで各自の説明責任を果たすグループ活動)を立ち上げたりすれば、こうした交流活動を維持することは可能だ。

人脈を維持すれば、自分の市場価値をより深く理解でき、企業や役割についての調査も容易にできて、実際の仕事に結びつく可能性さえある。

私が20年以上採用に関わってきた中で、就業中か失業中かによって内定条件を変えた顧客企業は一社もなかった。しかし、会社が状況に合わせて内定条件を変えることはあった。

ある顧客企業は、他社からも内定を受けていた求職者(就業中)を採用するため、予算を20%オーバーさせた。また、失業中の求職者が交渉で提示した給与額より、30%高い給与を出した企業もあった。この企業には基準とする給与レンジがあり、彼女のレンジが希望よりはるかに高かったことが理由だ。

内定を運に任せず、転職活動では積極的に動くこと。就業中かどうかに関わらず、良い条件の内定をつかもう。

翻訳・編集=出田静

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