ビジネス

2018.05.24

テスラ「3万5000ドル版」に発売中止説、財政地獄が深刻に

Tesla Model 3 (Andy Cross / by Getty images)


45万件の予約はどうなる?

「Cowen & Co.」のアナリストのJeffrey Osborneによると、テスラはハイエンド版に特化することで利益目標に近づくことができ、一定の顧客ニーズも期待できるという。Cowen & Co.は、テスラの投資判断を「アンダーパフォーム」としている。

「7万ドル以上のハイエンド版にはユーザーが求める追加機能が搭載されており、テスラがこのモデルを出すことは驚きではない。ただ、この価格帯ではモデルSと食い合いを起こすリスクがあり、どのようなユーザー層がモデル3の予約をしているか不明だ」とOsborneは話す。

テスラによると、モデル3には現段階でまだ45万件の予約が入っているというが、キャンセルや新規注文の状況については不明だ。また、予約の中で基本装備モデルが占める割合についても明らかになっていない。テスラとしては、なるべく多くのハイエンド版を生産して悲惨な状況から脱却することが最優先だと言える。

「短期的には、3万5000ドル版を発売すればテスラは確実に破滅するだろう。彼らは生産ラインの欠陥を解決し、製造工程を大幅に改善する必要がある」とOsborneは話す。

テスラには熱狂的なファンが多いため、キャンセル数がそれほど増えていない可能性が高いとOsborneは指摘する。「既に2年待っているのであれば、さらに6カ月待つことは問題ないだろう」と彼は話した。

編集=上田裕資

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