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2018.05.24

ビル・ゲイツが推薦「夏の必読書5冊」のディープな内容

ビル・ゲイツ (Photo by Jack Taylor/Getty Images)


3. 「リンカーン・イン・ザ・バルド」
ジョージ・サンダース著(未邦訳)


第16第米国大統領であるエイブラハム・リンカーンについて史実とフィクションを織り交ぜて書かれた物語。リンカーンの大ファンであるゲイツは「これは非常に重いテーマの作品だが、読んでみて正解だった」と述べている。著者のサンダースは11歳で亡くなったリンカーンの息子の亡霊の視点から、元米国大統領が味わった悲しみを描いている。

「子供を失うのはどんな親にとっても耐え難いことだ。しかし、リンカーンの息子が死んだのは1861年の南北戦争が始まってから1年も経たない時期の事だった。黒人奴隷解放を目指し、戦争を開始したリンカーンは自身の決定が他の親の子供らを戦場に送り、死なせることになることを自覚していた。それでも彼は決断を下さねばならなかった」と、自らも3人の子供を持つゲイツは述べている。

4. 「Origin Story: A Big History of Everything」
デヴィッド・クリスチャン著(未邦訳)


著者のデヴィッド・クリスチャンは、ビッグバンから現在までの歴史を研究する新しい学問分野「ビッグヒストリー」を提唱した人物。この書籍は彼の6時間に及ぶ人類史に関する講義をまとめたもの。クリスチャンはいかにして人類の歴史が始まり、どこに向かっていくのかを解き明かす。

「この本は宇宙の中で我々が存在していることが、いかに幸運なことであるかに気づかせてくれる」とゲイツは述べている。

5. 「ファクトフルネス」
ハンス・ロスリング著(未邦訳)


統計学者のハンス・ロスリングが世界にあふれるネガティブなニュースや、世界情勢をどのようにとらえるべきかを論じた書物。ロスリングスは歴史的事実を踏まえ、未来に対する悲観的な見方を払拭しようとしている。「昨年亡くなったハンスは、この本を通じて世界を正しく理解するための基本的事実を伝え、人類がいかに正しい方向に発展を遂げてきたか、今後の課題として何があげられるかを教えてくれる」とゲイツは述べている。

「この書籍は偉大な人物が残した人類への遺言であり、私が今まで読んできた中で、最良の書物の一つといえる」とゲイツは記している。

編集=上田裕資

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