以前でも、足掛かりを作ることができれば、新興ブランドでもパリやミラノ、ニューヨーク、ロンドンといったファッションの都の一つへの進出が保証され、それによってしっかりと足場を固め、評判を得ることはあった。だが、状況は変化している。
インスタグラムやツイッターなどがファッションをより開かれた分野にしていることに加え、世界各地で開催されるファッションウィークが増え、ファッションの中心とされてきた都市以外の出身の新興デザイナーたちにも、より多くの注目が集まるようになっているのだ。
ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシは、クリエイティブな世界の新たな中心地だ。著名なエディターやストリートスナップを撮るフォトグラファー、バイヤーたち、そしてファッション業界に関わるあらゆる人たちのSNSが、この街の様子を捉えた写真であふれている。
メルセデスベンツ・ファッションウィーク
クラ川の両岸を中心に広がる丘に囲まれた同市がそれほどの関心を集め、業界関係者を呼び寄せるのは、ジョージア国内の各地から新進デザイナーたちが参加するメルセデスベンツ・ファッションウィーク・トビリシが開催されるためだ。冠スポンサーを努めるドイツのメルセデスベンツは、同市のように認知度が高くないその他の新興市場でも、ファッションウィークの開催をサポートしている。最新ファッションは世界のどの場所からでも生まれる可能性があることを、広く示したい考えだ。
同社グローバルコミュニケーション・チームのモナ・モールは、「私たちは、新進のデザイナーたちを助けることができる。例えば、彼らがあえてニューヨーク行かなくても済むよう支援している」と語る。
「メルセデスには、インターナショナル・デザイナー・エクスチェンジ・プログラムに関連する50以上のプラットフォームがある。それらを通じて、地元では活躍しているものの、国際市場への進出には手助けを必要とする各国のトップデザイナーたちを支援している」