全米食品商業労組の「Making Change at Walmart(MCAW、ウォルマートに変革を)」活動を率いるランディ・パラーツは、「私たちの誰もが分かっていることをウォルマートが理解するまでに、1年近くがかかった。給料を支払うべき従業員を減らしたいというだけの理由で顧客自身にレジ係の仕事をしてもらおうと思っても、納得してもらえないということだ。レジ係の不在が買い物の利便性向上につながらないなら、特にそういうことになる」と述べている
新技術の「スキャン&ゴー」は、ウォルマートの利益率を引き上げることに貢献していなかった一方で、顧客満足度に関する同社の問題を増大させていた。同社の顧客満足度指数(ACSI)は昨年、スコアが前年の72から71に低下。記録的な低水準が続いている。
ASCIは消費者が受ける商品・サービスの質を測定するもの。スコアに基づけば、ウォルマートは国内の百貨店・ディスカウント店の中で下位グループに入っている。
安値販売を行うウォルマートのような店にとって、顧客満足度は一層その重要性を増している。商品を低価格で購入したい人にとっての主な買い物の方法が、インターネット通販最大手アマゾンの利用となっているためだ。
店舗に従業員を戻すことが、ウォルマートの現状の改善に役立つかもしれない。同社は大型店舗と低賃金の労働力、いつでも低価格、というすでに共生し得ないものとなった可能性がある3つの自社ビジネスモデルの基本について、再検討する必要がある。