一方、19日と20日には、パーム油に関する環境NGOの勉強会で知り合った学生グループが、横浜で「動物たちの楽園 ズーラシアに眠るパームの実を探せ!」というゲーム形式のイベントを開催した。食品や化粧品などに使われるパーム油の原料となるアブラヤシの大規模農園栽培によって、天然林が減少し、野生動物の生息地が脅かされるなど、環境破壊が進んでいるという。
都市レベルから民間レベルまでさまざまな取り組みがなされ、強い関心を喚起し続けている環境問題。現在のこうした状況に至るまでには、人々が見過ごしてきた異変に気づき、その原因を粘り強く追求していった数多くの民間人たちがいた。
1993年にカリフォルア州の大手企業PG&Eを相手取って訴訟を起こし、史上最高の3億3300万ドルの和解金を勝ち取ったエリン・ブロコビッチもその一人だ。彼女は環境問題の専門家でも法律の専門家でもなく、3人の子どもを抱えてやっと小さな法律事務所での仕事にありついたシングルマザーだった。
今回は、そのエリンをジュリア・ロバーツが演じてアカデミー主演女優賞をはじめとする数々の賞に輝いた『エリン・ブロコビッチ』(スティーブン・ソダーバーグ監督、2000)を紹介しよう。
映画のポスターにサインするエリン・ブロコビッチ本人(Getty Images)
カリフォルニア州モハベ砂漠の小さな町。3人の子持ちのエリンは2回目の離婚をしたばかりだが、学歴もキャリアもないため就活に苦労している。ある面接の帰り、追突事故に巻き込まれた彼女は、引退を控えた弁護士エドに弁護を引き受けてもらったものの、相手は社会的地位のある医師だったのに対し、彼女のラフな言葉遣いや外見は陪審員に悪印象を与え、取れるはずの和解金を取り損ねてしまう。
エドの法律事務所へ押しかけたエリンは、「同情より給料を。6年も子育てしたら再就職は無理。採用するまで帰らない」とぶち上げ、半ば強引に彼のアシスタントとして働き始める。