I write about leadership, purpose & open thinking.


オバマは、米大統領時代はほぼ毎日のように、さまざまな部門や機関、ロビイストらの代表者に囲まれて過ごしていたと語った。そこには、外輪として「実際の仕事をする」側近や助手の一団がいることが多かった。

「こうした人は、主要な席に着いているリーダーにメモや情報などを渡す」とオバマ。彼はこうした外輪の人たちこそ現状を真に理解していた人たちだったと、冗談めかして述べた。

ここでオバマが意図せずに示したアドバイスは、意思決定の瞬間にもインクルーシブさを心掛けることだった。オバマはよく、こうした外輪に座る人に話しかけ、意見やアイデア、フィードバックを聞いたという。こうした、立場が離れた人同士のつながりは「スキップレベル」の包摂性と呼ばれる。

私たちがこうした「メインの席」に着いている人だけでなく、そうしたリーダーに報告する人の声も聞くようにすれば、大きな利益が得られる。自分の直属の部下をスキップし(跳び越し)、より下の立場の人から情報や意見を集めれば、あまり知られていない素晴らしい見識が得られ、より正確な最終決定ができるかもしれない。またこうすれば、誰もが常に心を引き締めるようになる。

オバマからの最後の学びは価値観だ。正確に言えば、価値観を基盤とした社会を見失わないことがいかに大切かだ。私たちが正直で親切で、責任感を持ち、寛容で、尊重の心を持ち、役に立つ存在であれば、良いことは必ず起きるものだ。また、価値観ベースの社会では、自分の意見を持つ資格はあっても、自分の事実を作ることはできないということをオバマは思い出させてくれた。

観客の方を向いた彼は次のように冗談を飛ばした。「ここにあるのはテーブルだ。私たちは全員が、これはテーブルだと合意しなければならない。事実なのだから」。彼は最後に、次のような重要な言葉を残した。

「価値観を持てば、良いときもつらいときも乗り越えられる。私たちの行動に意味と目的を持たせてくれるのが価値観だ。組織は、人が心に持つものをよりうまく実践できるよう支援する必要がある」

オバマ前大統領がATD年次会議の壇上で発したメッセージにはほぼ同意だが、一つだけ意義を唱えたい。彼は「進歩は必ず起きるものではない」と言った。だが私は、目的と包摂性、価値観を毎日の生活に取り込めば、進歩は必ず起き得ると考えている。

編集=遠藤宗生

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