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2018.06.04

フィンテックの次にフードテック・ブームが来ると確信できる10の理由

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4. 食品大手も協力している

興味深いことに、既存の大手企業も代替肉への移行に積極的だ。たとえばアメリカの食品大手、カーギル(Cargill)とタイソン・フーズ(Tyson Foods)は代替肉スタートアップに出資。彼らは、低価格かつヘルシーで、伝染病の流行など思わぬ経営リスクを避けられる代替肉を有望な商品とみているのだ。

5. 人道的・道徳的である

いうまでもなく、代替肉なら動物を殺さずに済む。人道的な観点からベジタリアンになった人も代替肉なら食べられるし、また動物愛護団体もこの動きを歓迎している。

6. 環境に良い

現在の食肉ビジネスは生産・流通工程で大量の資源を必要とし、森林破壊や温暖化の一因となっている(食肉生産のために地球上の肥沃な土地の3分の1が使われ、温暖化ガスの18%を排出している)。工場で生産可能な代替肉なら環境に与える影響ははるかに少ない。

7. 衛生的である

現在の食肉ビジネスには、感染症(狂牛病や鳥インフルエンザなど)や、抗生物質が効きにくい耐性菌(サルモネラ菌など)、生産過程における大量の化学物質の使用といった問題がつきまとう。だが植物由来の代替肉なら、こうしたリスクを心配する必要はない。

8. ヘルシーである

一般に植物由来の肉の方が栄養は豊富で、有害な成分が少ない。たとえば、オーストラリアのフードテック・スタートアップ「Hungry Planet」が開発したビーフ(牛肉)風のパティの場合、従来の同量のものに比べて、カロリーは半分で脂肪分は低いのに、プロテインと食物繊維は多く含まれている。

9. 財布にやさしい

代替肉といえばオーガニック食品店で売られている高価な商品をイメージするかもしれないが、一般の食肉と同程度の価格帯で提供されるようになっている。植物由来の鶏肉を開発・販売するニュージーランドのフードテック・スタートアップ「Sunfed Meats」は、生産規模を拡大することで「世界一安い肉を作る」とまで公言している。

10. 本物そっくりの味

技術改良により、植物由来でありながら、従来の食肉と区別がつかない風味や味覚を再現できるようになってきている。インドで植物由来のマトン(羊肉)を開発・販売するスタートアップの「Good Dot」は、消費者テストを行ったが、「だれも植物由来の肉だと気づかなかった」と報告している。

文=増谷康

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