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スポーツ心理学で紐解く心の整え方


50名の募集枠に、時には100名ほどの参加申し込みがあり、マツダ社員の意識の高さに驚かされた。また、参加希望者は女性の参加比率が企業全体の男女割合よりも明らかに高く、女性の関心の高さがうかがえた。さらに自己着火研修には年齢や役職、職務、人種など様々な人々があつまり、それぞれの垣根を超えた社内部門間交流としての場にもなっている。

私が行うのは、自己着火のための「ご機嫌力」であるライフスキルを身につけるための脳のトレーニング。研修では、脳や心の仕組みに関する知識を得た後、それを意識した体感をさまざまな参加者たちとダイアローグし、シェアしていくワークショップ形式で実施していく。まずは組織に大きな影響を与える部長クラスのリーダーたちに対して、セルフマネジメント力を会得するためのトレーニングを行った。

思考のトレーニングに魔法はない。「ご機嫌力」の思考習慣をスキル化するには、時間の投資が必要である。参加者それぞれがどこかで腑に落ちる瞬間があり、それは人によって違う。目指すは知識ではなく、再現性と自動化がスキルとして身についている状態だ。

これを通じてマツダが狙うのは、「Chackers」たちがそれぞれの職場で周りに良い影響を与えながら自然に場づくりにも参画する、自主的に起こる社内の風土改革である。実際に、カスタマーサービス部門から参加されていた社員から「部門をもっと良い組織にしたい」との声があがり、本部長に影響を与え、カスタマーサービス部門内でのトレーニングが自然発生的に生まれたこともある。

企業は人の集合体であり、企業の強さは人の強さの集まりに他ならない。その組織で働く1人ひとりが自己着火できる人材であることは、社内のあり方や理想の働き方を実現していく上で重要であると同時に、他社との競争力や社会に対する貢献力を高める企業の力となる。私はセルフマネジメントの視点で人材育成に取り組むマツダを、これからも応援していきたい。

連載:スポーツ心理学で紐解く心の整え方
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文=辻秀一

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