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スポーツ心理学で紐解く心の整え方

aureliefrance / Shutterstock.com

「自己着火研修」というユニークな人材育成トレーニングを行っている企業がある。広島に本社を置く、マツダだ。自己着火とは、外発的動機によってエネルギーを生み出すのではなく、内発的動機によってエネルギーを生み出すこと。つまり、つまり自分自身をセルフマネジメントすることで、いつでもどこでも自ら心に火を着けられる人材を増やしていこうとする研修である。

3年ほど前にご縁があり、その自己着火研修の一部で、私が「ご機嫌力」と提唱している、自分の機嫌をコントロールし、自分の心を自らの責任で整えるセルフマネジメント力を鍛えるトレーニングを実施させていただいている。

マツダは、「人々と共にクルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい」というコーポレートビジョン(CV)の実現に向け、会社で働く人のあり方として、挑戦性と誠実性を掲げている。

心の状態をご機嫌にしてFlowな状態であることは、この挑戦性と誠実性の下支えとして実に重要な条件だといっても過言ではない。揺らぎ・とらわれている心の状態から挑戦性や誠実性はまずもって生まれないからだ。心が整ってこそ、人は挑戦性や誠実性を発揮できる。

さらにマツダでは、理想とする働き方のキーワードとして「共創」を唱っている。社員同士、あるいは組織の枠を超えてつながり、チームで思考しあっていくことで創造性を発揚し、新たなアイディアを生み出しあえるということだ。そのためにも、1人1人の心の状態が整えられていることが大事になる。揺らぎととらわれの心から創造性やアイディアやチームワークは決して生まれないからだ。

そして、そのようなあり方や働き方を自ら実践し、自主自立型で能動的に生きる人たちの集合体であるためにも、自己着火できる人材の育成は必須である。

マツダでは「自己着火」できる人材を「Chackers(チャッカーズ)」と呼称し、私は社内から自由参加型で募ったメンバーのトレーニングを3年前から始めることになった。1回8時間を月1回×3回。トレーニング終了後の数カ月後には、フォローアップのトレーニングも行っている。

文=辻秀一

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