インスタ発の次世代ファッション帝国「Lulus」を創った女性

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母と娘が立ち上げたアパレルブランド「Lulus」はソーシャルメディアを中心に、ミレニアル世代から絶大な支持を獲得した。Lulusは先日、1億2000万ドル(約133億円)の資金をベンチャーキャピタルの「IVP」やカナダの「CPPIB」から調達した。

調達資金で同社はデータ解析機能を強化し、米国や海外の68カ国への発送を拡大していく。今回の資金調達に際してのLulusの評価額は明かされていない。

インスタグラムでLulus は130万件のフォロワー数を誇っており、トレンドに敏感なミレニアル世代の女性たちにアピール中だ。同社の創立者でCEOのCollen Winterは「商品を買ってくれた人たち全員に、価格以上の価値を提供したい」と述べた。

Lulusの原点はDebra CannonとColleen Winterの二人が1996年に、カリフォルニア州のチコで開いた小さな店だった。その後、2008年にオンライン専業の店に切り替え、ファストファッションに特化した品ぞろえで事業を拡大した。

2014年にLulusはプライベート・エクイティの「H.I.G. Growth Partners」から非公開の金額を調達。また、「Abacus Finance Group」からも借り入れを行った。同社はまた、ビジネス開発企業の「Monroe Capital」からも2016年に資金を得ている。

Winterによると現在の売上は年間で数億ドルに達しており、既に黒字化を果たしているという。

「私たちのゴールは求めやすい価格でラグジュアリー感のあるアイテムを提供していくことだ」とWinterは話す。Lulusが販売する商品の価格は16ドルから300ドルで、インスタグラム好きの世代の心を捉えている。事業の成功の理由をWinterは、顧客サービスの充実とソーシャルメディアを通じたエンゲージメントに務めてきた結果だと説明する。

出資元のIVPはジェシカ・アルバが創業した「The Honest Company」やコスメブランドの「グロシエ」にも出資を行っている。IVPのゼネラル・パートナーのEric Liawは「我々はEコマース業界の成長に大きな自信を抱いている。アパレル業界は今、時代の転換点を迎えている」と話す。

「若い世代の好みは古い世代とは大きく違う。彼らはいつも“本物”を探しているのだ。Lulusには顧客が何を求めているかを、常に見極めようとする姿勢がある」とLiawは述べる。

Lulusは毎日、30から50程度の新規アイテムをサイトに追加し、顧客の反応をさぐっている。彼らがターゲットとする層は、流行のファッションを手頃な価格で楽しみたい人々だ。移り気な顧客の心をつかむためには、短いサイクルで品揃えを刷新することが必要だ。

サイトに並ぶ商品の85%が、Lulusが独自に開発したアイテムとなっている。「求めやすい価格の次世代のラグジュアリーファッションを生み出していくこと。それこそが、Lulusが掲げるミッションといえる」とWintersは話した。

編集=上田裕資

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