閉じる

PICK UP

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

米石炭採掘会社フォーサイト・エナジーの創業者、クリス・クライン(photographs by Jamel Toppin)

クリス・クライン(59)は嫌われることに慣れている。

以前もマッサージ師に職業をきかれて「石炭を所有している」と答えると、施術を途中で投げ出されたことがある。だがクラインは、石炭が世界の燃料消費量の40%を占めていることを知っている。

「人は一番安く手に入るエネルギーを使う権利がある。信頼できて手頃な価格の電気を使ってはダメなんて貧しい人に言えますか?」

実際、石炭は過去の遺物ではない。確かに、北米のシェールガス開発や中国の規制強化の煽りを受けて生産量こそ減ったものの、国際エネルギー機関(IEA)によると、今も年間72億トンが採掘されている。2000年と比べて倍の量である。

採掘労働者だった父に連れられて15歳から鉱山で働き始めたクラインは、やがて米有数の石炭会社に成長する「フォーサイト・エナジー」を創業。現在はカナダ東部ノバスコシア州に新たな鉱山を開発している。クラインは開発に楽観的だ。

「世界中の炭鉱が閉山した後も唯一稼働する炭鉱になるだろうね」


クリス・クライン◎2014年に新規株式公開(IPO)を果たした米石炭採掘会社「フォーサイト・エナジー」の創業者。1973年に採掘労働者として働き始め、80〜90年代に北米東部アパラチア山脈を中心に20以上の鉱山を買収。空気清浄機の設置やボーナスの配給を通じて炭鉱の労働環境を改善し、収益率を高めた。現在はカナダの炭鉱開発に取り組んでいる。

文=クリストファー・ヘルマン 写真=ジャメル・トッピン

あなたにおすすめ

合わせて読みたい