「歩行者と会話する」自動運転車両
Drive.aiにはウーバーのライバルであるシンガポールの配車サービス「グラブ(Grab)」が出資しているが、取締役会メンバーで“AIの権威”と呼ばれるアンドリュー・エン(Andrew Ng)によると、同社は単独で競争を勝ち抜くつもりだという。エンはスタンフォード大学コンピュータサイエンス学部の教授で、これまでにバイドゥ(百度)やグーグルでAIプロジェクトを率いた経歴を持つ。
「今は、我々が取るべき戦略を練るのことに注力している」とエンは話す。彼の言う戦略には、安全性への取組みも含まれる。「車内の安全確保はもちろん、周辺への配慮も重要だ」と彼が話す通り、同社はテスト車両が目立つように明るいオレンジ色で塗装し、通常の車両とは異なることをアピールしている。
「我々は、車両の外面にパネルを取り付けて、歩行者らとコミュニケーションをとっている。例えば、あなたが横断歩道を渡っているときに無人車両が停止していたら、あなたのことを認識しているか不安に思うだろう。そこで、我々はパネルに“横断歩道を渡り終えるまで待機します”などと表示させている」とエンは話す。
Drive.aiは完全無人化を実現するまでに3つのフェーズを用意している。最初は運転席に人間のドライバーが座り、問題が発生した場合に運転を行う。その後は、助手席にのみ監視係が乗車して乗客に自動運転車について説明を行う。そして最終フェーズでは人間は誰も乗車せず、ロボットが運転を行う。
このプロジェクトはデントン郡交通局が管轄し、運営は「Hall Group」、「Frisco Station Partners」、「The Star」が行う予定だ。