バルセロナの蕎麦屋から国際交流を企てる「遊び人」の真骨頂

(Alexander Spatari/Gettyimages)


以前、赤坂さんは、鎌倉の材木座でカフェも経営していた。この材木座という場所は鎌倉の海沿いに位置するが、かつては観光客が寄り付かないビジネス不毛の地と考えられていた。そんな場所にカフェをオープンして、店を軌道に乗せ、近隣の人々はもちろん、遠方からも客が集う人気店へと育て上げた。

それは、長く鎌倉に暮らす人々から「奇跡だ」とまで囁かれていたそうだ。「利回りよりも、人回り」を信条とする赤坂さんは、利益優先ではなく、志や信念で仕事をしている。だからこそ、赤坂さんの周りには多くの人が集ってくる。なによりも人と人との心の結びつきを大事にするからこそ、これまでの常識を覆して、カフェを成功へと導いたのかもしれない。

赤坂さんは、自らを「遊び人」と称している。そういうふうに言われると、「ああ、なるほどな」と納得してしまうのも、赤坂さんの魅力のひとつである。赤坂さんは実に人生を楽しんでいるように見える。バルセロナでの蕎麦屋開業の根底にも、「10年先、20年先の人たちが楽しめるインフラをつくりたい」という、遊び人ならではのサービス精神が込められている。



「結局、楽しいことをやりたい」という赤坂さん。まだ誰もやったことがないことに挑戦し、周りの人々を喜ばせる、それが楽しいのだ。赤坂さんと話をしていると、話を聞いているだけで、自分もなんでもできるような気がしてくる。

赤坂さんの楽しむパワーがあれば、バルセロナの蕎麦屋から、日本政府やスペイン政府を巻き込んだ新たなムーブメントを起こすのも、それほど難しいことではないだろう。それこそ、「遊び人」の真骨頂を発揮して。

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文=鍵和田昇

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