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2018.05.14

CEOを目指すなら トップに上り詰める4つの方法

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英国では最近、投資会社による自動車部品企業GKNの敵対的買収が物議を醸したが、GKNはこの騒ぎが始まる前から、新たに指名した最高経営責任者(CEO)を職務開始前に解雇するという、企業としては異例の不穏な動きを見せていたことは、忘れられがちだ。

ケビン・カミングスをナイジェル・スタインCEOの後継として指名した人事が適切ではなかったとの判断は、役員会にとっては大きな衝撃だったに違いない。というのも、彼は面接で自己を過大評価した社外の人間などではなく、計画的な後任選びで選出された社内の人間だったからだ。

カミングス解雇の経緯は明示されなかったが、彼が率いていた航空宇宙部門で、予想されていたよりも大規模な評価損が必要だと分かったことが理由との見方が強い。

一見秩序が整った後継者選びでさえも、こうしたことは起きてしまう。そのため組織のトップを目指す人は、何が起きてもおかしくないとの心構えを持つべきだ。これは『Crack The C-Suite Code(Cスイートの暗号解読)』の著者、カサンドラ・フランゴスが指摘した点でもある。

同書はフランゴスがテック企業シスコや役員級人材紹介企業スペンサースチュアートで勤務した経験を基に、将来の役員候補に向けたアドバイスを簡潔にまとめたものだ。フランゴスは、自分が今までに出会い、成功していた役員は「複雑で予測不能な環境の中、限られた情報を元に行動し、迅速に適応することを学んでいた」と書いている。

彼女が今まで出会った役員のキャリアパスには4パターンあった。誰もが一つのパターンのみをたどっていたわけではないが「どのような道が存在するかを知るだけで、役員にとっては変化に対応しやすくなった」という。その4つの中核的なキャリアパスとは、(1)終身在職役員タイプ(2)自由契約者タイプ(3)急速出世リーダータイプ(4)創業者タイプだ。

フランゴスは、1と2を従来型、3と4を非従来型のキャリアパスと呼ぶ。彼女いわく、1の終身在職役員タイプは人が思うほど単純明快なキャリアとは限らないが、最もよくあるキャリアパスだ。その魅力は、早く、コストが少ないこと。候補者はおそらく事業に関する知識をすでに持っているので、短期間で優秀な人材を生み出せる可能性が高く、リスクが低い。

一方で、2の自由契約者タイプの人気も伸びているようだ。大きな変化に直面した役員たちは、競争や破壊を乗り越えるため、今すぐ必要なスキルを持ったリーダーを求めることが多い。こうした人事は変化を受け入れる意思を示すものであるため、会社の業績に不満な投資家に歓迎されることが多い。
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編集=遠藤宗生

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