採用担当者は前職を辞めた理由を聞くはずだし、その前の仕事についても質問する可能性が高い。候補者がキャリアを転換した理由を知れば、その人の優先事項やモチベーション、コミットメント(忠実度)など多くのことが分かるからだ。
仕事で頭打ちになったと感じたことが理由であれば、優先事項は明らかに成長だ。他の雇用主からより高額な給与が提示されたことが理由の場合、金がモチベーションだ。短期間で複数の仕事を転々とした場合は、多くの企業が候補者のコミットメントを疑問視するだろう。
雇用主は、このようにさまざまな方法で求職者のキャリアの転換点を解釈する。そのため、前職を辞めた理由に関して何をどのように話すかは計画的に、そして慎重に考える必要がある。面接で退職理由を聞かれたときに注意すべきポイントは次の5つだ。
1. 明らかに怪しい点をクリアにする
履歴書から在職期間が短いことが分かるなど、採用側から見て明らかに怪しげな点がある場合、その問題に正面から対処する。勤務期間が短いことは必ずしもマイナスではない。退職した理由を落ち着いてはっきりと説明し、ある程度長く働いた仕事があることを指摘しよう。
リストラが多数の企業で起きていて、それが理由で転職した場合は、自分の評価が下がると思わないこと。広い範囲で再編が行われ、その一部として解雇された状況であればなおさらだ。
2. 中立の立場を保つ
キャリアの転換について説明するときは、中立の立場を保ち、感情的にならないことが重要だ。私が先日面接した候補者の中には、解雇されたことについて話しているときに泣き出した人がいた。面接の最中に涙を見せるのは、どのような状況であれ不適切だ。また、さらに悪いことに、その候補者が解雇されたのは6年前の話だった。理性を失うことなく面接を終えられる状態まで回復するのに、十分な時間があったはずだ。
私はこのことから、彼女のレジリエンス(回復力)に疑問を持った。彼女が応募していた職はペースの速い仕事だったので、彼女は完全に候補から外れてしまった。悲しみや怒りなど、過去のキャリア転換に対する感情は、決して表に出さないこと。どうしても感情的になるようであれば、声に辛辣(しんらつ)さが感じられなくなるまで、そのことについて話す練習をする。転職活動にはアップダウンがあるので、ストレスの管理法も習得しよう。