2015年発売のMacBookや、2016年にリニューアルされたMacBook Proには従来よりも薄型の“バタフライキーボード”が採用され、軽快なタッチや優れた反応が得られるというのがアップル側の主張だった。
しかし、バタフライキーボードを利用中のユーザーたちは構造上の欠陥を指摘し、修理にかかる費用が法外であると主張している。
この問題を重く見た利用者らは原告団を結成。カリフォルニア州北部の連邦裁判所に訴状を提出した。不満を持つユーザーらはブログやツイート、サポートフォーラムのコメントで抗議の意思を表明。さらに「Change.org」での署名活動のほか、アップルの対応を風刺する動画や歌もSNS上で広まっている。
テック系メディア「CNET」のEdward Moyer記者によると、ユーザーの中にはアップルの交換プログラムに申し込んだところ、1週間以上もの間、デバイス無しの暮らしを強要された体験を語る人もいるという。また、保証期間が経過後のデバイスの修理に、700ドルの支払いを求められたとツイッター上で申し出たユーザーも現れている。
バタフライキーボードに関しては、その登場以来、ユーザーコミュニティからネガティブな評価があがっている。このキーボードはアップルの創業以来の大きな過ちの一つだと指摘する声もあがる。
筆者個人としては、利用者らのこれほどまでの反発に完全に同意する訳ではない。しかし、アップルがこの問題に関してオープンで透明性を持った対応を心がけてこなかったことが、ユーザーの不満の原因となり、同社のブランド価値を毀損しかねない結果を招いており、Macのプラットフォームに対する信頼性が危機に瀕していると受け止めている。