グーグルに宣戦布告の地図サービス「Mapbox」を創った男

Courtesy of Mapbox


Mapboxは、多くの企業に利用されることで高額なマッピング用車両や人工衛星を自社で保有せずに済んでいる。「食べ物や空気、水などはすぐに手に入るが、地図を作製するには多くの労力を必要とする」とMapboxのCTOであるYoung Hahnは話す。

ユーザーがスマホ上でMapboxの地図を起動すると、緯度・経度・時刻の情報がMapboxに自動的に送信される。こうして集められた何十億ものデータによりMapboxの地図は常時アップデートされている。「ユーザーが地図を利用するたびに地図は学習している」とガンダーセンは話す。

リフトの自動運転車でも採用

Mapboxは、こうした仕組みを構築するのに10年近くを要したという。ガンダーセンは2009年にアフガニスタンから帰国した後、しばらくの間社内プロジェクトとしてMapboxの事業化に取り組んだ。しかし、2010年に資金が尽きて給与の支払いもままならなくなり、ガンダーセンは個人で25万ドルの借金を抱えてしまった。彼は支援者を探し、2013年10月にようやく1000万ドルを調達できたという。

現在、110万人ものエンジニアがMapboxに登録して同社のソフトウェアを利用している。配車サービスのリフトで自動運転車の開発に携わるJody Kelmanもその一人だ。彼女は、Mapboxの地図を使って車両から見える周囲の状況を乗客に見せている。

「我々のようなエンジニアを満足させるツールを開発するのは非常に困難だが、それができたことは素晴らしい」とKelmanは話す。

ガンダーセンにとって次の課題は、課金ユーザーを増やすことだ。これは容易ではないが、実現すれば業績への影響は大きい。「うまくやれば、我々のサービスはあらゆる場所で使われるようになるだろう」と彼は話した。

編集=上田裕資

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