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番組を作らないNHKディレクターが「ひっそりやっている大きな話」

レインボー風呂ジェクトのれん

先日、「レインボー風呂ジェクト」というイベントを、日本が誇る温泉街「別府温泉」で実施してきました。これが、めちゃくちゃカオスで面白かったんです。

ちょっと待って、そもそも「レインボー風呂ジェクト」って……? 一言で言うと、「LGBTと呼ばれる多様な性の人たちと一緒に温泉につかりながら、誰もが楽しめる温泉について考えちゃおう」というプロジェクトです。

イベントの翌日には新聞をはじめ、テレビやWebメディアなどで取り上げられ、NHKの番組でも紹介すると、またたく間にTwitterのトレンドワードにランクイン。さらに「前代未聞の温泉イベント」としてまとめ記事も作られるなど、SNSを中心にちょっとした話題になりました。

このプロジェクトの企画発案は、性社会文化史研究者の三橋順子さん。イベントの主催はNHKの「バリバラ」(24時間テレビの裏で“感動ポルノ”特集をぶつけてネットをざわつかせまくったりするアバンギャルド番組)制作班で、僕は全体のプロデュースをつとめます。そして、なんといっても別府市です。

「どんな人にも別府のお湯を存分に味わってもらいたい。そのためのきっかけになるのなら!」と言ってくれた懐深い別府市の協力を得て、市営温泉を特別に借りきって開催しました。

参加者は、別府の温泉旅館の女将さんや行政関係者、商店街の店主に大学生、温泉好きの別府のみなさん、さらにはプロジェクトの趣旨に賛同し、全国から集まったLGBTと呼ばれる、多様な性を生きる方々。総勢40人の中に、企画側のくせに好奇心が抑えきれず、僕も加わってきました。

ちなみに、最初に告白しておくと、僕はLGBTってなんなのか、よくわかっていません。もちろん言葉としては知っています。LGBTのそれぞれの意味するところ(L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダー)も答えられますし、「左利きの人と同じくらいの割合でいるんだよ」ということも聞いたことがあります(諸説あり)。

テレビをつければ、いわゆるオネエ系と呼ばれるタレントさんだってたくさん出ていらっしゃるわけで、情報としては一応頭には入っている。でも、本当に恥ずかしながら、僕の知識はそんなものです。つまり、本当のところは何もわかっていない“知ったかぶり”の状態でした。

で、そんな僕にもぴったりなのが、レインボー風呂ジェクトなわけです。このプロジェクトのコンセプトは、「難しい理屈はおいといて、まずはひとっ風呂」。

LGBTと呼ばれる人たちと一緒に、いくつかのテーマに分けられたお湯に入るのですが……あら不思議、なんだかいろいろなことがすとんと腹に落ちていくじゃありませんか。どんな様子だったかというと、まずはこちらの写真をご覧ください。



はい、僕もしっかり温泉に入っています(写真右端)。レインボー風呂ジェクトでは、「見た目の湯」「戸籍の湯」「自己申告の湯」の3つの湯を順番に体験していくのですが、この写真は「見た目の湯」の光景です。

温泉施設の受付のおばちゃんが、見た目だけで「はい、あんたは男湯、あんたは女湯」とふり分けた結果こうなりました。写真真ん中に写っているモヒカンの人は「心は男、体は女」のいわゆるトランスジェンダーと呼ばれる方です。お湯から上がると、おっぱいがぷるんと現れます。すごい違和感です。

文=小国士朗

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