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2018.05.17

「ティール組織 x ブロックチェーン」がつくり出す、新時代の組織構造とは?

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つぎに、DAOにおけるルールはブロックチェーン上でスマートコントラクトとして明確に規定され、一切の改ざんを受け付けず自動的に執行。賞罰についても、スマートコントラクトを用いて、報酬の支払いや没収が人の手を介さず執行されます。また、ルールや仕組みの改善をメンバー誰もが自由に提案し、変更していくことが可能です。

最後に、DAOにおいて、メンバーは自由に参加することが可能ですし、いつでも離脱可能。これによって、メンバーは自分の力が最も発揮できる組織を選ぶことができます。

DAOを実現する、ブロックチェーンプロジェクト

すでにブロックチェーン業界では、DAOをより多くの人が構築・運営できるようにするプロジェクトがいくつか存在します。

その中で最も有力なプロジェクトが「Aragon」です。

Aragonはブロックチェーンを用いて会社や組織を経営するためのアプリケーションキットを開発しています。資本構成、資金調達、給与計算、会計、細則など、組織の運用に必要な諸々のことを、分かりやすく拡張性の高いインターフェースを用いて一元管理することを可能にしてくれます。

創始者のルイス・アイヴァン・クエンデは「Forbes誌の選ぶ30歳以下の革新的な技術者30人」にも選出された、ブロックチェーン業界のコアプレイヤーです。

今後の開発によって、組織の作成、株式の所有・管理・移転、資本の調達、役割の割り当て、給与の支払い(それらすべての低コスト化)を実現し、脱中央集権化された分散型自律組織(DAO)を誰もが運営できるようにすることを目指しています。

また、「Colony」というプロジェクトでは、ユーザーが、自身のスキルを記載したプロフィールをつくり、「コロニー」と呼ばれるプロジェクトや企業体を作るか、既存のコロニーに参加することができます。

各コロニーでの意思決定は専門性や能力のレベルに応じて民主的に行われ、報酬は独自のトークンで支払われます。このトークンは、デザインやプログラミングといった作業の対価であると同時に、企業の株式のようにコロニーの所有権も表します。

このように、個人が地理的制約や国ごとの法規制に縛られず、自由に組織を構築・運営するほか、自分の実力を発揮できる組織を自由に選択して仕事を行うような、新しい働き方がブロックチェーンによって実現されつつあります。

DAOの課題と展望

もちろん、現在のDAOは一般の方が自由に参加できるとは言い難い、ギークのためのものかもしれません。

DAOに参画する人は、ブロックチェーンをよく知る人や、その思想に共感した人がほとんどでしょう。決して、多くのユーザーに利用されている、と言える訳でもありません。

しかし、クラウドソーシングなどの分野におけるブロックチェーンの有用性から、こうしたツールやプラットフォームが少しずつ浸透していくはずです。

優れたコンセプトと優れたソリューションが揃うことで、大きなイノベーションの波を起こす、と私は考えています。

ティール組織が提示した個人と組織の新しいかたちが、ブロックチェーンの分散の力によって裏書きされつつある今、真のイノベーションとして私たちの働き方を一変させるかもしれません。

文=森川 夢佑斗

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