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低下する利益率

新規事業への投資により、アリババのコストは大幅に増えて利益を圧迫している。第4四半期の純利益は前年同期比で29%の減少となり、営業利益率は前年同期の25%から15%にまで低下した。また、クラウドコンピューティング事業とエンタメ事業では、テンセントやバイドゥとの競争激化により赤字が続いている。

86 ResearchのWangは「事業の多角化により利益率が過去の水準に戻ることはない」と指摘する。野村のアナリスト、Shi Jialongもレポートの中で「今後も小売りや動画配信事業、海外事業、ロジスティクスなどへの投資が続き、利益は2019年度も下降トレンドとなるだろう」と予測する。

しかし、アリババCFOのMaggie Wuは「事業全体の拡大により、短期的なマージンの低下が利益額の低下にはつながらない」と数ヶ月前に述べている。Wuはアナリスト向け説明会で、将来の成長に向けた投資をさらに強化すると同時に、来期の売上高成長率を60%に設定したことを明らかにした。このうち50%は既存のEコマース事業によるもので、残りは新規事業の増加分だという。

「我々はマージンの増減よりも、事業規模と利益額の拡大を重視している。新たに加わった小売り事業の重要性が増しており、我々の利益構造は変化していくだろう」とWuは述べた。

値下がりが続いていたアリババの株価は再び上昇に転じ、今のところ投資家から不満の声は上がっていない。しかし、本丸であるEコマース事業は、急成長中のソーシャルEコマース「Pinduoduo(拼多多)」やテンセントの脅威に晒されており、新規事業によるコスト増への対策は急務だとPacific EpochのZhuは指摘する。

「Eコマースの競争が厳しくなる中、ロジスティクスやリアル店舗など採算性の低い事業を追加することはアリババにとって大きなチャレンジだ」とZhuは話した。

編集=上田裕資

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